「新人類シニア市場に注目」 女性誌ベースに快適商品を開発 

【近ごろ都に流行るもの】

 (松田)聖子ちゃんも来年は60歳。新しいシニア女性像が形成されるなか、この世代をターゲットにしたマーケティング・リサーチが活発化している。昭和の高度成長期に生まれ、サブカルチャーの洗礼を受け、バブル前夜の女子大生・OL時代にファッションやグルメの流行を牽引(けんいん)した女性たちが熟年となった令和の今。人口規模も消費意欲も大きな“宝の山”であることは変わりなく、多くの企業が注目している。あるシニア女性誌では読者を“ご意見番”として独自商品を開発。「メーカー」としても売り上げを飛躍させている。その裏側をのぞいてみた。(重松明子)

 「『ベルサイユのばら』などの上質な漫画や宝塚歌劇、アイドル、ニューミュージック、洋楽などのサブカルとともに成長した世代で、自分の言葉で考えを巧みに表現できる女性たち。興味の幅が広く気持ちはイケイケでも、お金の使い方は堅実。私も勉強させてもらっています」

 シニア女性誌「ハルメク」のシンクタンク部門、生きかた上手研究所の梅津順江所長(50)が、今どきの60代の印象を語った。

 最新5月号は、昨年61歳でユーチューブを始めた俳優、宮崎美子さんのインタビューを掲載。マネー、健康、ファッション、暮らし…多面的な誌面展開で、部数はこの3年で倍増という好調さ。書店で売らない定期購読のみで実売32万部(日本ABC協会調べ、令和2年上半期)という女性誌のトップランナーだ。

 発行元の株式会社ハルメクの売り上げは121億2800万円(同3月期)に達したが、実はその内訳は出版よりも物販事業の稼ぎが圧倒的に多く、全体の7~8割を占める。

 強みは雑誌をハブ(結節点)とする独自のビジネスモデルだ。50~80代女性3000人以上が参加する読者組織「ハルトモ」を活用。アンケートや座談会で、シニア女性ならではの悩みや要望を吸い上げた“快適商品”を開発し、雑誌配送時に同封する通販カタログに載せると、読者が購入。使用感など新たな意見が届く…という、好循環を作り上げた。

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