昭和天皇、上皇さまもご宿泊のホテルがさらに高級なリゾートホテルに

 養蚕・製糸業で財を成した片倉組(現片倉工業)が地域貢献のために造った温泉施設を起源とし、昭和天皇、香淳皇后、上皇ご夫妻の行幸啓を受けた長野県諏訪市の「かたくら諏訪湖ホテル」が、「かたくらシルクホテル」として生まれ変わり、4月下旬に開業した。48室あった本館は9室に減らし、全室がレイクサイドで源泉かけ流しの露天風呂を備える。伝統を見つめ直した結論が、おもてなしも料金帯も諏訪エリアでトップクラスのリゾートホテルだった。(原田成樹)

 片倉組は、明治6(1873)年に片倉市助が現在の同県岡谷市で座繰り器と呼ばれる機械を使って製糸を始めたのが起こりで、その後事業を拡大して片倉財閥を築く。昭和3(1928)年に当主の二代目片倉兼太郎が諏訪湖畔に公共の社交場や文化施設として温泉施設「片倉館」を開設し、隣接地に昭和23年、建てられたのがかたくら諏訪湖ホテルだ。

より高級路線へ

 諏訪湖ホテル時代も、湖を望む最高の立地と上質なサービスを誇った。とくに毎年8月に湖畔で開催される諏訪湖祭湖上花火大会(今年は小規模に開催予定)は、まさに目の前で打ち上げられ、特等席となる。しかし、70年たった本館が老朽化し、建て直しを検討する中で定めたのが、より高級な路線だった。

 同ホテルの雨宮清隆ゼネラルマネージャー(GM)は、消費者ニーズが高級と低価格に二極化し、中間層の経営は難しくなってきたと指摘する。諏訪湖ホテル時代の1人当たりの料金は1泊2食で1万3千~1万5千円程度だったが、かたくらシルクホテルは最も安い部屋で同4万4千円(2人利用時)からと大幅に格上げ。諏訪湖エリアでこのクラスは2軒目になるそうだ。

 県内では今年3月、御代田町にやはり高級ホテルの「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」がオープンした。1人当たりのスペースも広くとれる高級路線は、コロナ禍の中で他の宿泊客と密になりにくいという利点もある。

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