小川洋子さんが語った文学の深み「理屈ではさばけない闇」

 会場の参加者から、リアルでありながらどこか幻想的、空想的な作品を構築する極意を問われた小川さんは、「空想的な場面も、現実から根が生えてきているのです」と説明。こんなことあるはずないだろう、というようなことが現実社会ではよく起こる、とした上で、「リアリティーを追求していくと、なにか奇妙だったり、異常だったり、残酷なものが見えてくるのです」。

 そして、「人間はみな、どうにか社会生活がスムーズに進むように、アブノーマルや狂気、愚かさや妄想を抱え、もだえ苦しみながら生きている。私は、そこを小説として読みたいし、書きたいと思います」と語った。

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 おがわ・ようこ 昭和37年、岡山県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。63年、「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞しデビュー。平成3年『妊娠カレンダー』で芥川賞、16年『博士の愛した数式』で本屋大賞を受賞。小説『ブラフマンの埋葬』『ミーナの行進』『ことり』『琥珀のまたたき』など著書多数。昨年には、英ブッカー国際賞の最終候補になるなど、国際的な評価も高い。

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