台風、コロナ…復興目指す千葉・南房総のハウスビワ

 一昨年の台風15号(令和元年房総半島台風)で甚大な被害をうけた千葉県南房総市でビニールハウスで栽培された「ハウスビワ」の出来栄えを競い合う共進会が開かれた。昨年は台風被害や新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止となり2年ぶりの開催となった。本県は長崎県に次ぐビワの産地で、多くが同市で生産されている。関係者は台風からの復興を誓っていた。

 ハウスビワを評価する県温室びわ共進会は、同市富浦町のJA安房富浦支店で4月30日に開かれた。平成13年に始まった共進会は、東日本大震災があった平成23年も中止となった。

 18回目の今回は大粒のハウスビワ75点が出品された。審査委員長を務めた県農林総合研究センター暖地園芸研究所の河名利幸所長(59)ら8人の審査委員は約2時間、糖度や外観、玉揃い、箱詰め技術などを厳正にチェックした。

 最高の賞である知事賞には同市内の出口賢さん(75)のビワが選ばれた。約50年のビワ農家生活で初の知事賞を受賞した出口さんのビニールハウスも一昨年の台風でビニールがはがれ、一部の木で葉が散った。その影響で現在も以前に比べて収穫量が少ない状況が続いているという。それでも形の良いビワを育てることができたのは「温度管理をしっかりしたため」だという。

 「台風被害を受けながらもここまでのビワがそろったのは生産者の方々の努力のたまものだ」と、河名所長は出品した各生産農家を評した。

 共進会を主催したJA安房温室びわ組合の笹子敏彦組合長(63)は「台風の大きな被害で5人が農家を辞めてしまった」と残念がる。今年の出荷量は台風以前の約7割程度になる見通しだが、「今年のビワは、糖度が高く形も良い」。復興に向け、そう胸を張った。ハウスビワの出荷はゴールデンウイーク明けごろにピークを迎える。(長橋和之)

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