コロナワクチン、福岡県内の自治体配分数に格差 調整不足を指摘する声も

 新型コロナウイルスのワクチン確保をめぐり、福岡県内の自治体間で格差が生じている。5月以降、各自治体で順次、接種を進めていく中、初期段階では人口規模が同程度の自治体間で確保数が大きく異なるケースがみられ、場合によっては規模との逆転現象も生じた。自治体からは必要数をまとめる県の調整不足を指摘する声が上がる。

 福岡県内には6月末までに2456箱(6回接種で約287万3千回分)が届く。このうち、5月10日からの2週間に各自治体に届けられるワクチンは567箱で、最多の144箱を受け取る福岡市をはじめ、県内60市町村で高齢者向けへの接種準備が進む。

 ただ、複数の県内自治体から「人口規模や接種体制の実情と食い違う配分だ」との指摘が相次ぐ。

 県西部では、65歳以上人口(平成27年国勢調査)で約10倍の差がある行橋市(1万9835人)と吉富町(1989人)で、配分数はともに3箱だった。遠賀川周辺の3町でも、65歳以上人口(同)が8780人の水巻町に3箱、9828人の岡垣町に9箱、5800人の遠賀町に6箱と人口規模に応じていない。

 自治体のワクチン確保担当者は「自前の接種体制をもとに2週間で可能な量を申請した」との声がある一方、「供給体制が不確実な中、75歳以上の2回接種に必要な量を確保しようとした」との説明もあり、考え方の違いが浮き彫りに。この違いが格差が生じた原因とみられる。

 自治体の申請を取りまとめる県は「市町村には2週間分で接種可能な量を申請するよう通知している」とするが、マンパワー不足や、時間の制約から「各自治体から上がってきた申請を信頼するしかない」(県担当者)という。

 ワクチンをめぐっては、必要数は確保される一定の見込みが立ち、今後の配分によって自治体間の偏在は解消していくとみられる。

 ただ、ある県西部の自治体首長は「都市部で封じ込めを進めるための優先供給は理解できるが、郡部で格差が生じるのは住民に説明ができず、理解に苦しむ(配分数の)増減もあった。現状のままでは不信を招く」と憤りを隠さない。

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