俳句ポスト設置から四半世紀 入選集も25集目 茨城・大子町

 茨城県の豊かな自然に恵まれた奥久慈・大子(だいご)町の名所旧跡などの魅力を俳句にしてもらい、さらなる観光振興につなげようと町と町観光協会が県内外からの投句を受け付ける「俳句ポスト」を町内へ設置してから四半世紀が経過した。一昨年は台風19号による水害、昨年からは新型コロナウイルスの感染拡大で町の観光業は打撃を受けたが、投句数が大きく減ることはなく、関係者は元気づけられた。

 町内へ俳句ポストが設置されたのは平成7年秋。現在は袋田の滝トンネル入り口、日輪寺といった観光名所など16カ所のほか、町内の小、中、高校に置かれている。町観光協会への郵送も可能で、協会のホームページからも投句できる。

 俳人協会副会長の今瀬剛一さん(84)らを選者とする選句会が投句の中から一般、中高生、小学生の各部ごとに入選句を決定。さらにその中から年間入選句として、大子町俳句ポスト大賞3句と優秀句25句が選出される。

 コロナ禍の昨年度、町の観光客数は台風被害前の平成30年度に比べて約4割減少。通常年3回の選句会も2回だけ開かれたが、約1800と30年度(1930)に近い投句があり、関係者をホッとさせた。

 昨年度、一般の部の大賞は、東海村在住の男性の作品「橋裏に光を当ててシガ流る」。シガとは、真冬の久慈川の水面に流れる氷の欠片(かけら)がきらめく現象で、選者の一人で奥久慈俳句連盟会長の小野瀬允(まこと)さん(90)は「シガだけでなく、橋の裏に光が当たる様子まで表現したのが素晴らしい」と解説する。

 このほか、年間優秀句には「復興の町にひひな(ひな人形)の笑顔あり」。選句会での入選句には「子と共に緑を吸ってマスク取る」と台風被害やコロナ禍を題材とした作品も含まれていた。

 「本来、俳句とは大自然の景色などに感動しながら詠むものだが、今は遠出が難しく、どうしても身近な題材が多くなる。一日も早く平穏な日々に戻ってほしい」と小野瀬さんは願う。

 25集目となった昨年度の投句入選集の冊子は町観光協会で希望者に1冊ずつ無料配布中。郵送も可能で、〒319-3526 茨城県大子町大子722の1「大子町観光協会投句入選集」係へ切手140円分を同封して申し込む。問い合わせは同協会(0295・72・0285)

      (三浦馨)

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