沖縄戦の旧日本兵遺骨 戦後76年を経て身元判明 北海道の遺族に返還

 沖縄県糸満市で見つかった遺骨が厚生労働省のDNA型鑑定により、北海道出身の旧日本兵のものと判明したことが14日、分かった。遺骨のDNA型鑑定が始まった平成15年以降、沖縄戦における身元判明は6例目となる。遺骨は同日、戦後76年を経て遺族のもとに返された。

 判明したのは歩兵第32連隊第1大隊所属の金岩外吉(かないわ・そときち)伍長=死亡当時(21)=の遺骨。同部隊は沖縄戦で最後まで奮闘し、米軍を苦しめたことで知られる。関係者によれば金岩伍長は昭和20年6月17日未明、糸満市の洞窟陣地で戦死したという。

 青森県在住のフォトジャーナリスト、浜田哲二さんと妻の律子さんが主宰するボランティアグループが平成31年3月に遺骨を発見。生存兵の証言や記録などを調べて遺族を探し出し、厚労省にDNA型鑑定を依頼した。これまでのDNA型鑑定は、遺骨のそばに認識票なども見つかっていたが、証言だけで身元が判明するのは今回が初めてという。

 遺骨は14日、厚労省から北海道庁を通じ、北海道在住の金岩伍長のおい(72)に渡された。同行した浜田さんによればおいは、「まさか帰ってくるとは思わなかった。両親や兄弟が眠る墓へ一緒に入れて供養したい」と、驚いた様子だったという。

 厚労省によると、旧ソ連や硫黄島などで見つかった遺骨のうち、平成15年から今年2月までに3595件のDNA型鑑定を実施し、うち1190件の身元が判明したが、軍民が入り交じった沖縄戦で判明するケースは極めて珍しいという。(川瀬弘至)

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