夫婦間の性犯罪明文化を 法務省検討会が報告書案

 性犯罪を厳罰化した平成29年施行の改正刑法について見直しの必要性を議論する法務省の検討会は12日、夫婦間でも性犯罪が成立することを明文化すべきだなどとする報告書案を公表した。同意のない性交と認定できれば処罰する「不同意性交罪」の創設や、強制性交罪の時効延長など注目のテーマは賛否が分かれた。

 専門家や被害者団体の代表ら委員17人が昨年6月から議論してきた。ただ、この日の会合では修正を求める意見が相次ぎ、5月の次回会合以降で最終的な報告書を取りまとめる。法務省は報告書などをもとに刑法などの改正を検討し、改正が必要と判断すれば法相が法制審議会に諮問する。

 報告書案では、夫婦間の性犯罪について、過去には成立を否定する学説があったが、最近は捜査当局も立件を進め裁判例もあると言及。委員から成立を否定する意見はなかったが、夫婦間では成立範囲が限られるとの解釈もあり、「解釈上の疑義を払拭するための確認的な規定を設ける方向で検討」すべきだとした。

 不同意性交罪をめぐっては、暴行・脅迫や抵抗といった強制性交罪の要件が適用を狭める要因になっており、「意に反する」ケースを広く処罰対象にすべきだとの声を紹介。一方で、単に不同意を要件とすれば罰するほどでない行為まで適用されてしまうなどの意見も挙げた。公訴時効についても、性犯罪の被害申告には時間がかかる場合があるため時効延長などの措置が必要という声や、証拠の散逸といった問題から延長は慎重にすべきだとの指摘を取り上げ、「さらに検討が必要」とするにとどめた。

 被害者団体などは、性交に同意できる年齢の13歳からの引き上げや、地位や関係性を悪用した性行為の処罰も求めているが、この点についても方向性を打ち出すには至らなかった。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ