茨城・中核市1年の水戸市保健所の取り組み、ウイルス減らす意識が重要

 水戸市が昨年4月に「中核市」へ移行してから1年が経つ。中核市の代表的な仕事の一つに「保健所の設置」がある。移行初日は、くしくも市で初めて新型コロナウイルス感染者が確認された。水戸市保健所が新型コロナとどのように向き合ってきたか、土井幹雄所長に話を聞いた。(聞き手 永井大輔)

■仕事後の達成感重視

 「新型コロナの感染が広がることは読めており、覚悟を決めていた」。感染症対策のプロは昨年4月の心境を振り返る。出来立ての保健所では、人員の数と質がともに不足しており、土井所長は、働き手の心を折らないために、厳しい仕事の後に達成感を持てるよう采配を振るった。

 情報共有を徹底し、課題とその解決方法などの業務結果を各仕事場に掲示して可視化。共有を続けるうちに、指揮能力や処理能力、整理能力など各職員のスキルが自然と浮き彫りになり、各分野にリーダー的存在が自然に生まれるようになった。土井所長は「今、誰がどのように働いているかが見えることで、年齢や役職に関係なく、努力や結果といった能力で指揮を執る人が自然に決まる」と語る。

■コロナ患者聞き取り向上

 感染確認後、保健所が行う拡大防止策は患者から接触者数や程度を聞き取ることから始まる。土井所長によると、患者の8割は感染のショックで話ができない。潜伏期間に何をしているかを聞くが、1週間前の行動は覚えていない人も少なくない。そのため、聞き取りには専門スキルを要する。

 保健所設置当初はスタッフの力不足が否めない点も散見されたが、「今はだいぶ充実してきた」と土井所長。新型コロナは発症の直前が最も感染を広げやすいため、行動履歴の把握には特に力を入れてきたという。土井所長は「詳細は不要だが、どこに行ったのか分かる程度の日記をつけてほしい」と呼びかける。 

■理屈理解し対策を実践

 土井所長が特に強調するのは、存在するウイルスの量を減らすという意識を全員が持つことだ。消毒やマスクの着用をはじめ、人と人の接触を減らすのも、感染者が非感染者にうつしてウイルスを増やすのを止めることが目的だ。自分が触った場所は全てアルコールで除菌するなどウイルスを減らすための行動を癖にすることが、感染者を減らす鍵にもなってくる。

 土井所長は「ウイルスを減らすという理屈をわかった上で、感染症対策を実践することが非常に重要。みんなで頑張って、ウイルスを減らしていきましょう」と力を込めた。

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