「密回避」ままならず 大都市・名古屋に聖火 対策難しく

 東京五輪の聖火リレーが5日、愛知県で行われ、1月に緊急事態宣言が発令された大都市としては初めて、名古屋市で聖火が運ばれた。新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でのリレーに関係者は神経をとがらせたが、沿道には多くの観衆が。人の波に押され、密の回避を呼びかけることもできない場面もみられ、大都市での感染対策の難しさが浮き彫りとなった。(鈴木俊輔)

 「通路で立ち止まらないでください」

 カメラやスマートフォンを手に、何列にも重なり合う観衆への呼びかけは「密」よりも事故や交通トラブルの回避に終始していた。

 この日、5度に渡って聖火が運ばれた名古屋市では、聖火を一目見ようと多くの見物客が詰めかけ、各所で人混みが発生した。

 午後1時ごろに通過した名古屋・栄の複合施設「オアシス21」では、数百人規模の観衆が会場となった吹き抜けの多目的広場を囲むスロープや階段にあふれ、聖火が到着すると、身を乗り出すように一斉に写真を撮影。家族で足を運んだ自営業の男性(42)は「人が多いのは予想していたが、せっかくの機会なので生で見たかった」と笑顔をみせた。

 大きな混乱こそ起きなかったが、群集の中には聖火リレーとは知らずに人だかりをみて足を運んだ若者も。近くに住む無職の男性(72)は「こんな人混みは久しぶりに見た」とこぼした。

 人口約230万人の大都市である名古屋市でのリレーについては、これまでリレーが行われた都市に比べて「密」が起きやすいことが懸念されていた。

 主催者側もコース沿いにスタッフや警備員を配置し沿道での密集回避などに努めた。だが午後6時ごろ、名古屋駅近くの商業施設で行われたリレーでは《1・5メートル間隔、1列でご観覧ください》と書かれたカードを持つスタッフの脇で、肩が触れ合うほどの間隔で観衆が列を連ねるなど、各会場には聖火の到着前に一気に人が集まった。

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