皇室のコロナワクチンご接種、国民に配慮

 新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、12日から65歳以上の高齢者への優先接種が始まり、5日の週から順次各自治体にワクチンが配送される。皇室では上皇ご夫妻をはじめ7方が該当し、宮内庁は国民と同じ優先順位で接種を受けられるよう検討。海外では王族が率先して接種を受け、公表した例もあるが、同庁幹部は「皇室の動向が、国民の接種に影響を与えないよう配慮が必要だ」と慎重だ。(緒方優子、橋本昌宗)

「ご意向に沿って」

 皇室で優先接種の対象となるのは、上皇ご夫妻をはじめ、最高齢となる97歳の三笠宮妃百合子さま、常陸宮ご夫妻、寛仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さま。いずれもコロナ禍で外出される機会は減少しており、「感染するリスクは低い」(同庁幹部)という。

 日常生活を支える側近らも対面での接触を減らし、公共交通機関での通勤を避けるなど、感染防止に神経をとがらせてきた。ワクチン接種は重症化防止に一定の効果が期待されており、同庁の西村泰彦長官は先月25日の記者会見で「皇室の方々のご意向に沿って実施ができるように準備を進めてまいりたい」と説明した。

「接種促す」見方も

 「上皇さまは65歳以上、天皇陛下は61歳。それぞれの枠組みで接種を受けられるのではないか」

 河野太郎ワクチン担当相は2月、海外メディア向けのオンライン会見で、天皇陛下と上皇さまのワクチン接種についての質問にそう答えた。「接種は個人の選択。公表されるかどうかは分からない」とも述べた。

 海外メディアの質問の背景には、海外王室の動向がある。昨年12月にワクチン接種を開始した英国では今年1月、王室がエリザベス女王(94)と夫のフィリップ殿下(99)の接種を公表。女王は2月、医療従事者とのビデオ会議で「迅速で全く痛みはなかった」と感想を述べており、率先して接種を受けることで国民に接種を促したとの見方もある。デンマーク王室も1月、女王マルグレーテ2世(80)のワクチン接種を公表した。

 ただ、海外王室と日本の皇室では、「状況が大きく異なる」と関係者は話す。

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