【こちらサンスポ社会班】コロナワクチン接種、専門家が賛否両論 打つべきか、それとも待つべき?

 政府は22日、新型コロナウイルス感染拡大に対応するための緊急事態宣言を約2カ月半ぶりに全面解除した。今後は感染再拡大の防止に努めるが、切り札と期待されるのがワクチン接種。国内でスタートして1カ月が経過、4月中旬から高齢者を対象とした優先接種も始まる予定だが、長期的な安全性は未知数で“見切り発車”との声も聞かれる。打つべきか、それとも待つべきか? 接種積極派と慎重派の専門家に意見を聞いた。(取材構成・丸山汎)

 日本は米ファイザー、米モデルナ、英アストラゼネカの3社とワクチン供給を受ける契約を締結。いずれもウイルス抗原の遺伝子を用いる新技術のワクチンで、ファイザー製の接種が始まっている。

 「効果は期待以上というのが実感。高齢者ら接種が推奨されている人たちは打つべきだ」と力を込めたのは、近大医学部でウイルス感染免疫学が専門の宮沢正顕教授(64)だ。

 今回の3社のワクチンはいずれも人に実用化されるのは初めてだが、宮沢教授によると、このタイプのワクチンは30年ほど前から研究されてきたもので、がんなどのワクチンとして臨床試験も進んでいた。既に研究開発の積み重ねがあり、今回のコロナ感染拡大で急に研究が始まったものではないことを重視する。

 ただ、国内でも重いアレルギー反応であるアナフィラキシーの報告が複数件あった。宮沢教授は「重篤化する副反応のリスクは非常に低いと考える」との見方を示す。

 一方、「私は、今は打たない」と明言するのは、西武学園医学技術専門学校東京校校長で感染症学が専門の医学博士、中原英臣氏(76)。日本感染症学会は2月に発表した報告書で「承認されたワクチンを接種することが望まれる」としつつ、「長期的な有効性や安全性の点でまだ不明」と明記した。中原氏も「長期的な副作用があるかどうかが判明していない」ことを重くみる。

 厚生労働省はワクチンを先行接種した医療従事者約2万人に健康観察の日誌提出を求めている。中原氏は、感染者数や死者数が欧米などと比べ、かなり少ない現状を踏まえた上で「高齢者こそ現在の調査結果をよく見てから判断すべきで、最低1年くらいは待ってもいい」。“拙速”な接種を疑問視した。

 積極派の宮沢氏も「ワクチンの効果は感染の予防ではない。あくまで発症と重症化の予防」であることを強調する。「新型コロナの感染は無症状者から多く広がっている。皆が接種して発症を防げば、医療崩壊の恐れもなくなる」と説いた。

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