高齢者ワクチンどう分配? 悩む自治体

 4月12日から市区町村単位で始まる新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種。5月以降は円滑に供給される見込みだが、先行配布されるワクチンは一部を除き全国一律でごくわずかだ。配布されたワクチンの分配や接種の順番などは都道府県や市区町村に委ねられており、各自治体は苦慮しながら、優先順位をつけたり公平性に配慮したりと対応を模索している。

■「離島優先したいが…」

 厚生労働省によると、ワクチンは4月に入り、まず国から都道府県へ週ごとに届けられる。そこから各市区町村に分配されるが、最初に届くのは東京、神奈川、大阪が4箱(約2000人分)、その他は2箱(約1000人分)。どう分配するかは都道府県の判断となる。

 宮城県は「高齢者の人口が多いところから始める」(担当者)として、最初に届く2箱を仙台市と石巻市に1箱ずつ割り当てた。翌週以降は他の市町村にも配分する予定という。

 沖縄県は、うるま市のほか、1~2月に高齢者施設で大規模な感染者集団(クラスター)が発生した離島の宮古島市にまず配布。担当者は「今後は医療崩壊のリスクがある小規模離島を優先的に進めていきたいが、医師が1人しかいない島もあり応援態勢を組まなくてはならない」と話す。

 一方、大阪府は最初の4箱を小分けにし、府内の全43市町村に高齢者の人口比に応じて分配する。人口の少ない4町村には最少の1瓶(5人分)ずつ、大阪市には1120人分を届ける。担当者は「市長会や町村会と話し、後回しになる自治体が出るのはよくないと判断した」という。

■先着順で受け付けも

 届いたワクチンをどんな順番で高齢者に接種するかも各市区町村の裁量に任されている。

 最初の配布で1箱が届く見込みの川崎市は、高齢者施設の入所者がまず対象となる。副反応が起きた場合に対応できるよう、医療体制が整った入所者100人程度の比較的大きな施設を対象に、医療従事者が巡回して接種する方針だ。

 一方、東京都内で世田谷区と並び先行配布される八王子市では、令和3年度中に65歳以上となる高齢者約16万人を対象に、インターネットと電話で先着順に4月5日から予約を受け付ける。全ての高齢者のワクチンが届くのは6月末の見通しで、数量に応じて会場を開設。高齢者施設での接種も準備しているという。

 4月中旬に2箱分が届く足立区では、ワクチンを超低温で保管するディープフリーザーが設置された区内2病院と提携する施設の入所者から接種希望者を募る予定。担当者は「区内の医療従事者にもまだワクチンが届いていないのが実情。4月初めから集団接種が始められるよう学校などの会場を確保していたが計画が崩れた」とため息をつく。

 一方、東京都清瀬市は、接種の順番がまだ決まっていない。4月26日の週に1箱が国から直接届く予定だが、市内の高齢者人口は2万1000人。担当者は「高齢者施設の入所者から配布するのが妥当と考えているが、まだ決定には至っていない。5月には初回より多くのワクチンが届くとみられるが、配布スケジュールが不確かなのが不安材料だ」と打ち明けた。(橘川玲奈)

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