全高齢者分のワクチン確保も…予断許さぬ変異株リスク 感染者数はリバウンド傾向 尾身会長「カラオケに行ってるような高齢者も要因」

 コロナ禍収束の切り札と期待される米ファイザー製ワクチンについて、河野太郎行政改革担当相は6月末までに約1億回分(約5000万人分)を調達できると表明。全高齢者約3600万人分の接種のめどが立った。一方で変異株の拡大と感染者数のリバウンドは予断を許さない。専門家は「高齢者のカラオケも一因」と警鐘を鳴らす。

 ワクチンについて河野氏は、欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週、最大約1000万回分が日本に到着、6月は「5月を上回る供給」を見込むと述べた。

 全高齢者約3600万人分については6月末までに市区町村に届ける方針も重ねて示した。7月以降の一般向け接種へ向けて前進した格好だ。

 不透明感のあったワクチン接種計画がようやくクリアになってきたが、21日が期限の首都圏の緊急事態宣言解除については微妙な情勢だ。

 厚生労働省が公表した10日時点の病床使用率は、千葉県が44%、埼玉県が41%、東京都が27%、神奈川県が26%。いずれもステージ3(感染急増)の水準で、一定の成果は出ている。

 ただ、東京の直近7日間で平均した1日当たりの人数は12日時点で273・6人となり、前週から横ばい。都のモニタリング会議では、「変異株などにより急激に再拡大が起こる可能性があり、対策を徹底する必要がある」と指摘された。

 宣言を解除した大阪府でも12日、新たに11人の変異株の陽性が確認され、計103人になった。担当者は「直ちに市中感染と判断する状況ではない」と話す。

 フィリピン由来の変異株も空港検疫で確認されるなど国内を急速に侵食している様子がうかがえる。

 最近のリバウンド傾向をめぐり、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は、感染者の下げ止まりについて「アクティブなシニア」の行動を挙げる。「カラオケに行ってるような高齢者と同時に、若者も元の生活に戻っていることが1つの要因になっていることはたぶん間違いない」との見解を示した。

 ワクチン接種と変異株感染抑制の二正面作戦はこれからが正念場だ。

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