茨城県内コロナ感染初確認1年 安田貢・県医療統括監「ワクチン接種後も3密回避を」

 新型コロナウイルスの感染者が茨城県内で初めて確認されてから17日で1年を迎える。未知のウイルスに改めてどう向き合えばよいのか、県の新型コロナウイルス感染症対策の指揮を担う安田貢県医療統括監に聞いた。

 安田氏は新型コロナについて「簡単に言うと、いわゆる風邪の一種だ」と説明する。大半の人間が感染する“普通の”風邪は、80~90%が200種類以上のウイルスによるもので、中でも「ライノウイルス」が約30~40%、「コロナウイルス」が10~15%と多くを占める。このコロナウイルスの変異したものが新型コロナウイルスと呼ばれるものにあたる。もともと風邪ウイルスのため、コロナ特有の症状はなく、症状からコロナと診断するのが難しいのだという。

 「新型コロナウイルス」と呼称しているが、世界保健機関(WHO)が付けた正式名称は「SARS-CoV2」(サーズコロナウイルス2)。平成14、24年に中国や韓国で流行したサーズ(SARS-CoV)やマーズ(MARS-CoV)と同種で、安田氏は「中韓にとっては3回目の経験ともいえる。日本の検査体制などの初動が両国より遅かったのは仕方ないこと」と指摘する。

■死亡率1・3%

 今年1月末の県の調査では、県内患者の新型コロナ重症化率は約1・75%、死亡率は約1・3%。他県と比べて死亡率はかなり低く抑えられているという。ただ、安田氏は「新型コロナは肺全体が炎症する一般的な肺炎と違う」と指摘。肺の背中側から炎症が広がるため、悪化の直前まで息苦しさなどの自覚症状がないこともある。自宅療養中の容体急変はこうしたケースに当てはまるという。

 県では、安田氏の指揮のもと、検査で陽性確認後にレントゲン撮影や血液検査を行い、自覚症状がない肺炎の有無を確認し、容体急変を防いでいる。

■後遺症にも警鐘

 風邪の一種で重症化や死者も各段に多いわけではない新型コロナ。安田氏は「最終的にはインフルエンザと同等の感染症になる」と説明するが、専用の特効薬がなく、ワクチンが普及していないことから、「現時点では各段の注意が必要」と強調する。

 外来受診の薬で治せるインフルと違い、新型コロナは医師によるケアを要するため、感染が広がれば医療関係者への負担も増える。新型コロナの感染拡大は、他の病気やけがなどへの対応にも影響するのだ。

 加えて、安田氏は後遺症についても警鐘を鳴らす。国立国際医療研究センター病院の追跡調査では、年代や症状に関係なく、感染者の24・1%に脱毛、19%に嗅覚障害などの後遺症が確認されている。

 新型コロナの症状では血管の炎症がみられており、私見とした上で「炎症による血流障害が脳、心臓、毛髪など影響を与える場所により、後遺症の症状が異なるとみられる」と話す。実際、県内では40代の女性患者が、血流障害による脳梗塞で半身まひになったケースもあった。

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