【しずおか・このひと】静岡県文化奨励賞受賞の染色家、鈴木緑さん(50)「草木染ろうけつ」伝承・発展に寄与

 江戸時代末期から続く老舗の紺屋(染物屋)「紺友染色工房」(静岡市葵区)の5代目である染色家の鈴木緑さん(50)。染色の伝統的技法である「草木染ろうけつ」の技術指導・伝承に励んだ功績によって令和2年度の静岡県文化奨励賞を受賞した。作品は日展入選をはじめ数多くの賞を受賞。優れた技術と、染色業界の発展に取り組む姿勢に期待が寄せられている。(小串文人)

 --静岡県文化奨励賞を受賞した感想は

 「『まさか』というか、思ってもみなかったことなので驚きました。この気持ちを表現するのに今話題になっている将棋の藤井聡太さんが使った『望外の喜び』と同じ思いでした。私が学生のころに4代目の父(健司さん)も受賞している賞なんですが、これまでの受賞者は落語家の春風亭昇太さん(静岡市清水区出身)や所属する静岡フィルハーモニー管弦楽団など功績がある個人や団体ばかりなので、私が受賞するなんて無理と思っていました。推薦していただいた県女流美術協会に感謝するとともに、奨励賞ということで、今後も文化行事に積極的に参加し県の文化振興に貢献したいです」

 --染色の世界に入ったきっかけは

 「家が染物屋ですからね。両親からは直接継ぐように言われたことはなかったんですが、家に出入りする親戚からよく言われました。姉妹で長女なので、子供のころから受け継ぐ気持ちはありました。以前から学校の先生を目指していて、高校時代から絵の勉強をしていたこともあり、染色を学べる多摩美大に進学し希望通り教員免許も取得しました。今は静岡市内の2つの高校で非常勤講師として染色を教えています」

 「大学卒業後は県立美術館に勤務しながら、伝統工芸の若手職人グループ『するがクリエイティブ』に所属しました。そのころ、大型公共施設の改装工事の発注があり、大作のタペストリー4点を制作したんです。応募作品以外の作品の一部は県美術家連盟展などに出展し、入賞したのを機に県立美術館を退職して本格的に制作活動を展開することにしました」

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