「インフルより痛くない」医療従事者へのワクチン接種を公開 都立駒込病院

 医療従事者らに対する新型コロナウイルスワクチンの優先接種が東京都内でも始まり、5日、都立駒込病院(文京区)で接種の様子が報道陣に公開された。この日は主に新型コロナ患者に関わる職員が対象で、医師からアレルギーの有無など問診を受けた後、ワクチンの注射を受けた。医療従事者からは「安心感を持って働ける」などと、安堵(あんど)の声が漏れた。

 駒込病院には4日にワクチンが届き、接種会場を整えた上で、5日から接種が始まった。会場は問診、注射、注射後の反応を見る待機の主に3つのスペースが設けられ、一人ずつ間隔を空けながらも、次々と接種を済ませていった。

 同院では医師や看護師ら職員約2200人のうち約2千人が希望し、4日間で全員の接種を終えるという。

 ワクチン接種「第1号」となった神沢輝実院長(64)は「インフルエンザの注射よりも痛くなかった。治療薬がない中、院内感染を防ぐ面でもワクチンへの期待は大きい。不安を持つ人もいるかもしれないが、少なくとも医療従事者は心配せずに受けている」と述べた。

 臨床検査技師の近田朱里さん(25)は、検査のため新型コロナ患者と接する機会が多いといい、「当然防護服など感染対策はとっているが、これからはより安心して働けると思う」と語った。

 都内では4日から、医療従事者への優先接種が始まった。新型コロナ患者を受け入れている医療機関を対象に、3月中に計47施設、10万人への接種が予定されている。

 ただ、優先接種の対象者は全体で約60万人。「厚生労働省から時期の見通しは示されていない」(都担当者)ものの、今後、都内680の医療機関にワクチンを配布し、全員の接種を進めていく方針だ。これと並行し、65歳以上の高齢者への接種も4月から始まる。

 都は副反応に備え、電話で相談を受け付けるコールセンターを開設するほか、都内12カ所の病院で、副反応が表れた患者を専門に受け入れる方針を固めている。どこを専門病院にするかは現在調整中だという。まずはかかりつけ医やコールセンターへの相談を基本とするが、専門的な検査や治療が必要と判断された場合の受け皿を目指す。

 ワクチン接種の対象となる高齢者は、都内に300万人超。多くの人に対応できるワクチン接種会場の確保も課題となる。都によると、廃校になった都立学校の校舎や、都立のスポーツ施設の活用も念頭に、区市町村と選定を進めているという。

 小池百合子知事はこの日の定例記者会見で「区市町村と連携してさまざまなシミュレーションを行い、速やかに接種を進める準備を重ねている。ワクチンの確保も必要であり、ここは政府を挙げての努力をお願いしたい」と述べた。(大森貴弘)

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