国産ワクチン実用化に立ちはだかる壁 外国製頼み、製薬会社開発も「周回遅れ」感 背景に「治験の数」「副反応への警戒心」も

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言は関西など6府県で解除され、残るは首都圏の4都県となった。ただ、収束への切り札となるワクチンをめぐっては世界的な争奪戦が続いている。日本の製薬会社もワクチン開発を進めているが、実用化へのスピードでは「周回遅れ」の感は否めない。国産ワクチンに立ちはだかる壁を打破するには何が必要なのか。

 国内企業では、3段階ある臨床試験(治験)のうち、アンジェス(大阪府茨木市)が500人に対する第2段階の治験を実施し、第3段階への準備を進めている。塩野義製薬(大阪市)は第1段階と第2段階で、年末までに3000万人分以上の生産体制整備を目標としている。

 第一三共とKMバイオロジクス(熊本市)は、3月から治験を始める見込みだ。

治験の数

 実用化している海外のワクチンに比べると開発が遅いようにみえる。元厚生労働省医系技官の木村盛世氏は、「国内の承認にこぎつけられないのは、人間を対象にした『効果判定』ができないためだ」と強調する。

 これまで米ファイザーが4万3000人、モデルナが3万人、英アストラゼネカも2万3000人を対象とした治験を実施してきたが、「日本では、大規模な人数を要する第3段階になると、日本の国や製薬会社も実施した前例がないためになかなか着手しにくい」と木村氏。

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