関西3府県「人動く春」警戒 解除要請も意識緩み警戒

 新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の解除を国に要請した関西3府県の知事は23日、事業者への営業時間短縮の要請を段階的に緩和し、継続する方針で一致した。背景には、人の交流が活発になる3~4月に感染が再拡大することへの危機感がある。切り札とされるワクチンの供給時期は不透明な部分もあり、各知事は感染症対策と社会経済活動の両立に向け、難しいかじ取りを迫られる。

 「人が動く年度替わりの時期は警戒しなければならない。これは全員の共通認識だ」。大阪府の吉村洋文知事は23日、西村康稔(やすとし)経済再生担当相らとのオンライン会談を終えた後、記者団にこう強調した。

 西村氏と3知事が懸念するのは、宣言終了後の危機意識の緩みだ。会談に先立つ3知事の会議で、京都府の西脇隆俊知事は宣言解除の場合も「次のステージへの移行ということだ。解除というと、コロナの危機が去ったような誤ったメッセージが伝わる」と訴えた。

 年度替わりの3~4月は卒業や入学、入社など人生の節目に際した行事が集中し、人の移動や会食の増加が予想される。実際、感染第1波は昨年3~4月に到来し、政府は初の緊急事態宣言を発令した。

 こうした過去を「教訓」(吉村氏)とし、3知事は西村氏に対し、3月から4月にかけて国が感染拡大防止に向けた強いメッセージを出すよう要望。吉村氏によると、国と3府県が連携して発信することで一致したという。

 会談では感染再拡大の兆候を早期にとらえるための対策も議題となった。西村氏は繁華街での無作為検査やビッグデータの活用を通じ、感染状況をチェックする手法を例示した。

 吉村氏は新たに導入した指標に言及。大阪府は若年層からの感染拡大が多かった傾向を踏まえ、20~30代の新規感染者数(直近7日間平均)の前日増加比を今月19日からホームページで公表している。22日まで5日連続で1を下回ったが、23日は1を超えた。増加が続けば注意喚起する。

 重症化予防の効果が期待されるワクチンにも不安要素がある。3月から接種する予定の医療従事者は当初の推計の約370万人から約100万人増え、65歳以上の高齢者接種が4月中に始まるかは不透明だ。

 吉村氏は記者団に「感染症対策は続ける前提で、社会経済との両立を図る。この判断は非常に難しいが、政治家がすべき判断だ」と述べた。

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