【TOKYOまち・ひと物語】受刑者に手紙で社会復帰支援 五十嵐弘志さん

 服役3回、計約20年を塀の中で過ごした五十嵐弘志さん(57)は元受刑者でありながら、ボランティアとともに全国の刑務所にいる受刑者との文通や元受刑者の就労支援など、社会復帰を手伝うNPO法人「マザーハウス」(墨田区菊川)の理事長を務める。「受刑者も同じ人間として大切に接することが、更生につながる」と語る。(橘川玲奈)

 受刑者との文通の取り組みは、ボランティアと真心で手紙を交わすことから「ラブレタープロジェクト」と名付けた。関わる受刑者は全国に約800人。ボランティアは一般の老若男女で450人ほどが参加している。個人情報保護のため、ボランティアはペンネームを用い、両者はNPOの事務所を経由して手紙を送り合う。

 手紙は、日常の出来事や趣味などありふれた事柄から、受刑者自身の反省の思いまで内容は多岐にわたる。手紙のやりとりは月に300通以上に及ぶという。

 その他にも、元受刑者を雇い、コーヒーの販売やパソコン修理などを行い社会復帰を支援している。活動はバチカンにも伝わり、令和元年に来日したローマ教皇フランシスコに謁見した。

 「殺人以外はいろいろやりましたよ」。自身も詐欺や私文書偽造、脅迫などの罪で3度服役し、通算で20年を刑務所で過ごした。

 契機となったのは3回目の服役前。警察署の留置場で一緒だった日系ブラジル人との会話がきっかけでキリスト教を知った。服役中も修道女や、後に身柄引受人となるキリスト教の弁護士との手紙のやりとりを通じて回心した。

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