国土開発の先駆者、大阪を救った江戸の豪商、河村瑞賢 

 瑞賢と親交が深かった儒学者で政治家の新井白石(1657~1725年)はそうした経緯や治水事業を「畿内治河(ちか)記」で詳細につづっている。それによると、実際の調査は瑞賢が中心で、範囲は今の大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀の各府県に及び、主要河川を舟で調べている。

 「琵琶湖に端を発する淀川は上流から流出する土砂が滞留して、川底が高くなって氾濫する。淀川が海に注ぐところに、九条島があり、河水が島に当たって水勢を弱めることが、上流の土砂堆積の原因になっている」

 淀川の河口に蓋をするようにあった三角州の九条島に目をつけた瑞賢は「九条島に水路を開いて、強いままの水勢で淀川が海に流れ込むようにしなければならない」と考えて、治水構想を示した。そして、幕府からの正式な依頼を受け、工事に着手した。

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