ふるさと納税の返礼に家電 ギフト券が減り急上昇

 ふるさと納税の返礼品競争を過熱させたギフト券が扱えなくなった新制度の影響で、地元産品として家電・電化製品を扱う自治体が、寄付額を手堅く伸ばしている。大手メーカーの工場がある大阪府大東市は炊飯器やテレビなどを取りそろえ、寄付額は新制度導入前の約2・6倍になった。各自治体では税収アップを図りながら、ものづくりのまちのPRにつなげたい考えだ。(守田順一)

 象印の圧力IH炊飯器、船井電機の4K液晶・有機ELテレビやブルーレイディスクレコーダー…。大東市のふるさと納税の特設サイトには、市内に工場を持つ企業の家電がずらり並ぶ。返礼品386品目のうち家電・電化製品は76品目。機械・金属など製造業が盛んな同市ならではの品ぞろえだ。

 総務省によると、大東市が集めたふるさと納税の寄付金は平成29年度が約5億7600万円(全国135位)、30年度が約9億4千万円(94位)だったが、令和元年度は約24億9千万円(26位)に大幅アップした。今年度は府内自治体トップのペースで集まっており、年度末には約35億8千万円に達する見込みだ。

 元年度の寄付額のうち、家電・電化製品が占める割合は96・4%。以前から家電を扱っていたものの、担当課は「ギフト券を扱う自治体が減って寄付する人の目が家電に向き、相対的に順位が上がっている」と分析。換金性の高いギフト券などの返礼品が問題視され、「返礼品は寄付額の3割以内の地場産品」という基準が加わった新制度が同年6月に施行されたことが影響しているという。

 他の自治体を見ても、コーヒーメーカーやスチームアイロンを扱う新潟県燕市が平成30年度の51位から令和元年度10位に、家電と農水産品を組み合わせて返礼品にする茨城県日立市が同じく80位から19位など急上昇している。

 大阪府門真市も昨年12月に、市内の工場で製造されるタイガー魔法瓶の最上位炊飯器などを返礼品に加えた。担当者は「ふるさと納税は農水産物の豊かな地方が有利で、都市部の自治体は苦戦してきたが、門真市の優れたものづくり、メード・イン・門真をPRしていくチャンス」と話す。

 新制度の影響で、ふるさと納税による令和元年度の全国の寄付総額は4875億円と対前年度比4・9%減で7年ぶりに減少した。とはいえ、寄付者にとっては返礼品に加えて税控除が受けられる制度は依然、魅力的だ。大東市産業経済室の田川愛実室長は「家電への注目で寄付が増え、戸惑う気持ちもあるが、ありがたい。市としては寄付金の使い道をしっかり示し、ふるさと納税の趣旨を損なわないよう適正に運用していきたい」と話している。

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