コロナ禍で「黙食」新たな合言葉に 飲食店で広がり、学校でも感染防止に一役

 新型コロナウイルスの感染リスクが高いとされる飲食の場面。飛沫を防ぐため食事中の会話を控えるよう呼びかける動きが広がっている。学校給食では取り組みが進み、感染拡大防止につながった例もある。今月から店内での「黙食(もくしょく)」を推奨した店では「飲食店本来のあり方とは正反対」との葛藤を抱えているが、会員制交流サイト(SNS)では好意的な反響も。避けることが求められる「密」と合わせ、「黙」が感染防止のキーワードになりそうだ。

 福岡市南区のカレー専門店「マサラキッチン」では13日に緊急事態宣言の対象に追加されて以降、店内に「黙食」への協力を呼びかけるポスターを掲示している。

 店主の三辻忍さん(46)には「外食がだめなのではなく、食事中の至近距離での会話がいけない」との思いがあったという。

 三辻さんにとっては、「食事とともに会話を楽しむ食文化を店が切り捨てることになる」と苦渋の決断だった。だが、SNSでポスターの無料配布を始めたところ、同業者から「対応を悩んでいたが、光が見えた」「店に貼ろうと思う」などと多くの反応が寄せられた。

 東京都国分寺市にあるうどん店「国分寺甚五郎」の店長の幸山貴さん(46)も共感した一人だ。

 「これまで『ダンディーに、エレガントにお食事してください』と呼びかけていたが、分かりにくかったと思う。『黙食』は目立って伝わりやすい」と話す。

 今のところ客からの不満の声はなく、以前よりも静かになったといい、「本来なら楽しくお食事していただきたいが、コロナ禍では難しい。静かに、スマートに食べる。こういうのが、主流になっていくのかなと思う」と語った。

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