コロナ感染、自宅療養中の女性が自殺「周囲に迷惑かけた」

 新型コロナウイルスに感染し、東京都内の自宅で療養していた30代の女性が今月、自殺していたことが22日、関係者への取材で分かった。「(感染したことで)周囲に迷惑をかけた」などとする趣旨の同居の夫や娘にあてた遺書のようなメモが見つかったという。

 関係者によると、今月初めに、女性の夫が感染。夫はホテルで療養することになったという。その後、女性と娘もPCR検査の結果陽性が確認され、自宅療養となっていた。

 夫は14日に宿泊療養を終えて帰宅したが、女性と娘は自宅で療養を続け、接触していなかったとみられる。夫が15日朝、女性の部屋の物音がしないことから、室内を確認したところ、死亡しているのを見つけ、110番通報した。

 室内からは、女性が娘に感染させてしまったのではないか、などと思い悩み、家族に謝罪するような内容の小さなメモ書きが見つかったという。

 公共政策が専門で自殺問題に詳しい早稲田大の上田路子准教授は「患者は自身が感染したことで『周囲からバッシングされるのではないか』『家族が差別的な扱いを受けるのではないか』といった不安を抱えがちだ。家族との接触を断って自室にこもることが求められる自宅療養で、さらに孤独を深めてしまうことも考えられる」と指摘する。

 その上で、「経過観察に当たって保健所などは、体調面だけでなく精神面の変化にも気を配り、必要に応じて医療機関の専門科につなぐなど支援態勢の強化が求められる。患者本人も自身を責めることなく、少しでも追い詰められていると感じたら専門機関に相談してもらいたい」と語った。

 東京都の小池百合子知事は22日、「報道で知る限り本当に残念な出来事。感染された方の健康だけでなく心のケアも必要だと強く感じた」と述べた。

 さらに、「都として悩みをうかがってアドバイスするホットラインをつくっているが、こういったことが起こらないよう、どんな改善策があるのか検討したい」と語った。

 自殺を防止するために厚生労働省のホームページ(HP)で紹介している主な悩み相談窓口は以下の通り。このほか同HPでは、会員制交流サイト(SNS)による相談窓口の紹介とQRコードも表示している。

 ▽いのちの電話

 (0570)783556(午前10時~午後10時)

 (0120)783556(午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)

 ▽こころの健康相談統一ダイヤル

 (0570)064556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)

 ▽よりそいホットライン

 (0120)279338(24時間対応)

 岩手、宮城、福島各県からは(0120)279226(24時間対応)

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