【数字から見えるちば】世界シェア2割強の「ヨウ素」、高付加価値化に期待

 日本は地下資源に乏しいといわれるが、ヨウ素(ヨード)は世界の年間生産量3万3930トン(平成29年)の29%にあたる9840トンを生産しており、チリに次いで世界第2位を誇る。国内では千葉県が8070トンと最も多く、国内シェアの82%、世界シェアでは24%を占めている。

 県内のヨウ素の産出地は、国内最大規模の南関東ガス田がある房総半島の東部に分布している。ヨウ素は同地域で採取される水溶性天然ガスとともにくみ上げられる「かん水」から生産され、その可採埋蔵量は現在の採掘ペースでいけば約500年分相当の400万トン程度と推定されている。

 ヨウ素は体内で新陳代謝の調節・促進を行う甲状腺ホルモンの産生に欠かせない元素だ。日本では海藻を日常的に摂取するため欠乏することが少ないが、海産物に乏しい国や地域では、ヨウ素の摂取不足による甲状腺肥大や知能障害、発育不全などが深刻な問題となっており、県は国際協力の一環としてそうした地域へヨウ素の供給を行ってきた。

 ヨウ素の用途としては、殺菌効果が高いことからうがい薬や消毒薬、殺菌剤、防カビ剤などに用いられるほか、光に反応する特性を生かし、レントゲン造影剤や液晶ディスプレー用の偏光板、工業用触媒など多方面で利用されている。今後も医療分野から先端産業まで幅広い活用が期待でき、世界での需要は拡大傾向にある。

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