起死回生の「昼食にきびだんご」はコロナ禍だから実現した

 岡山の土産物として定番のきびだんごに、続々と新商品が登場している。新型コロナウイルスの感染拡大で土産物の需要が減るなか、コロナ禍に負けまいと各社が商品開発に注力。「ランチ用」など自家消費を狙い、商売敵だったメーカー同士が手を組むという、今までにない展開も進んでいる。

 ◆「ランチ用につまめる」

 「コロナ禍だからできたのかもしれない。他社と一緒に商品開発するのは初めてです」。安政3(1856)年創業の老舗和菓子店「広栄堂武田」(岡山市)の武田宏一専務(41)が言及するのは、昨年12月23日に発売した新商品「ももたろうのおひるごはん」だ。

 テレワークで昼食を抜く人が増えたことに着目し、「ランチ用につまめる」のが売り。おから、ナッツを配合し、腹持ちの良い「レジスタントスターチ」というでんぷんを使用。甘みは抑えた。1袋4個入りで税込み162円。

 新商品が画期的なのは「昼食向け」というコンセプトだけではない。新商品は同社のほか、果実工房▽中山昇陽堂▽山脇山月堂▽小倉産業-といったいずれも岡山市に本社を置く製菓、食品製造業者ら5社がそれぞれの技術を持ち寄って開発したのだ。

 ◆ドロップも登場

 最初の緊急事態宣言下の昨年4~5月、各社の売上高は前年比で軒並み9割減となった。各社とも土産物への依存が大きく、旅行客向けの需要がなくなったことで大打撃を受けた。

 こうした状況に、地元スーパー「両備ストア」(岡山市)が、県民に自家消費してもらおうと各社の在庫セールを企画。ここで今回の5社が顔を合わせた。

 もとは商売敵同士。しかし、「土産物業者も旧態依然としていては、生き残っていくことはできない」との危機意識を抱いた果実工房の平野幸司社長(50)が声を掛け、共同での新商品開発に至った。「ももたろうのおひるごはん」は各社の店舗とJR岡山駅の駅ビルで販売しており、県内を中心に小売店での拡販を目指している。

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