和歌山市の感染者急増 最も深刻「ステージ4」に迫る

 新型コロナウイルスの新規感染者数が和歌山市で急増している。政府が重視する6指標の一つ、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は20日現在、23・9人と過去最多で、4段階で最も深刻な「ステージ4」(25人以上)に迫る勢い。最前線で対応にあたる市保健所の業務も逼(ひっ)迫(ぱく)しつつあり、関係者は危機感を募らせている。

   (西家尚彦)

 和歌山県によると、県全体の感染者数(20日午後1時現在)は累計928人。うち和歌山市は438人と全体の半数近い47%を占める。

 和歌山市では、年末年始を機に新規感染者数が急増している。

 1週間の推移(週報)でみると、昨年11月30日~12月6日は30人超だったが、年末年始を挟んで増加傾向となり、今年1月11~17日は70人超に急増した。

 その背景について、市の担当者は「年末年始に帰省に伴う人の移動が活発化したことが原因」とみる。

 さらに年末年始、若者らが集まって開いた鍋パーティーや、高齢者が利用する介護・福祉施設で相次いでクラスター(感染者集団)が発生したことも新規感染者数を押し上げた。

 危機感を募らせるのが、医療行政の最前線で対応にあたる市保健所だ。

 市によると、従来は保健師5人を含む職員24人を軸に、他部署からも応援も得て、新規感染者の行動歴や濃厚接触者の健康状態などを調べてきた。しかし、ここにきて新規感染者数が急増。県からの応援も得て、保健師約40人を含む総勢約90人に増強している。

 それでも「業務は逼迫しつつある」と市の担当者。「感染者や濃厚接触者の調査、医療機関との連絡など多忙な業務を、なんとか乗り切っている状態」と打ち明ける。

 市によると、新規感染者の行動歴や濃厚接触者の把握などの調査は、保健師1人が1日に対応できる数は2~3人程度。しかも、新規感染者が濃厚接触者の名前や立ち寄り先の説明を拒む場合もあり、「業務の負担になるケースもある」と話す。

 新規感染者数増加を抑えこむには、こうした調査を地道に続けていくことが不可欠。市保健所の業務が膨大となる中、松浦英夫所長は「調査への協力をお願いしたい」と呼びかける。

 和歌山市の現状を、県福祉保健部の野尻孝子技監も懸念している。20日の会見では「年末年始に活発に活動した若者が感染し、それが家族や職場に広がっている」とし、「周辺から和歌山市を訪れた人への感染も懸念される。引き続き市への支援を続けていきたい」と述べた。

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