時短営業に応じない店どう公表 法律上OK?

 新型コロナウイルスの急拡大に伴い緊急事態宣言が出されている11都府県では、飲食店の営業時間を午後8時までに前倒しするよう要請が出されている。昨春の緊急事態宣言時と異なり、今回は要請に従わない飲食店は店名を公表される可能性がある。感染防止に一定の効果が見込まれる一方、実質的な罰則との見方もあり、その是非が問われている。

 緊急事態宣言下の飲食店への時短要請は、新型コロナ対応の特措法や関連政令に基づいた措置。特措法45条の規定や7日に改正された政令に基づけば、緊急事態宣言が出されている都道府県の知事は、要請に応じない飲食店名を公表できるとされている。

 昨年4~5月の緊急事態宣言では、東京都や大阪府などが休業要請に従わないパチンコ店の公表に踏み切った。だが、休業している店が多い中、公表店に客が殺到するという「逆効果」もみられた。

 東京都の小池百合子知事は7日の臨時記者会見で、「店舗名の公表を検討せざるを得ない状況にならないよう、まずはご協力をいただきたい」と述べ、都職員による繁華街の見回りを強化し、時短要請の協力を求めると強調した。

 仮に飲食店の店名公表に踏み切る場合、店舗数はパチンコ店と比べて非常に数が多く、実態把握は簡単ではない。都関係者によると、昨年のパチンコ店に対する対応にならい、各店舗への見回りで時短営業しているか確認することを視野に入れているが、具体的な方法は検討中という。

 店名公表が、事実上の罰則に当たるという不満もくすぶる。時短要請に応じていない新宿区のある飲食店は、客入り次第で閉店時間は変えているが、遅いときは午後11時ごろまで店を開けている。店長の男性(35)は店名公表について「反対だ。罰則のようで法律上おかしいと思う。こちらも弁護士に相談している」と首をかしげる。自身の店が公表された際には「状況に応じて(店を早く閉めるか)判断しようと思う」と話した。

 千葉大の大林啓吾教授(憲法学)は「憲法では営業の自由が保障されており、特措法にも『制限は必要最小限でなくてはならない』とある。店名公表は法的根拠があるものだが、慎重な対応が必要だ」と指摘した。

(橘川玲奈)

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