緊急事態宣言に福岡県追加、国が押し切る 知事「やむなし」

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象に福岡県を含む7府県が加わったことを受け、同県は13日、対策本部会議を開き、飲食店などに対し午後8時までの時短営業や県民に不要不急の外出自粛を要請することを決めた。感染者が急増する中でも、県は現時点での宣言発令には消極的だったが、西村康稔経済再生担当相に緊急事態宣言の対象に追加する「最後の船だ」と通告され、小川洋知事が短期集中で感染拡大を押さえ込みたい政府の意向を受け入れた。(小沢慶太)

 小川氏は会議で「宣言対象になった以上は感染拡大防止をしっかり実現することが大事だ。県民、事業者の一層の理解、協力をいただきながら取り組みを徹底していかなければならない」と述べた。

 時短営業の要請期間は16日から2月7日までで、対象区域は県内全域。飲食店やカラオケ店などへは新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、営業時間を午前5時から午後8時までとし、酒類の提供は午前11時から午後7時までとする。要請に応じた事業者には協力金を支給する。

 このほか劇場、映画館などに対しては、特措法に基づかない形で、同様の時短営業を働き掛ける。

 外出は特に午後8時以降の自粛徹底を要請する。事業者に対してはテレワークなどの推進を求める。イベントなどは参加者を5千人以下とし、屋内では収容率50%以内とする。

 小川氏によると、西村氏から、福岡県を宣言対象に加えると電話で伝えられたのは12日夕だった。小川氏は、今後の感染状況を見極めて宣言発令の要請を検討する考えだったが、西村氏に「(13日以降の)追加指定は考えていない。『最後の船』だ」と迫られ、受け入れたという。

 小川氏はこれまでも、重症病床の使用率が比較的低い水準に抑えられていることなどを理由に、宣言の発令には慎重な姿勢を崩していなかった。今回、知事による要請に政府が応じる形で宣言対象に加えられた他の6府県に対し、福岡の場合は逆の構図となった。

 小川氏は、宣言発令について「やむを得ない」との認識を示したが、県内の状況は深刻さを増している。新規感染者数や病床使用率など政府のコロナ分科会が感染状況を判断する目安として示す7つの指標のうち6つで最も厳しい「ステージ4」(爆発的感染拡大)の基準を超えている。

 小川氏は、新規感染者が300人超に急増していた8日の時点で「『ステージ3』に該当していない」としており、現状を過小評価していた感は否めない。

 政府は福岡県の感染拡大リスクを深刻に捉える。西村氏は13日の参院議院運営委員会で「九州全体(の感染拡大)を抑えるには福岡を抑えなくてはならないという専門家の判断」と説明。県関係者は、宣言発令を要請していない福岡も対象に加えることで「あくまで政府が主体的に判断しているということを示したかったのだろう」とみている。

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