医療逼迫の3府県、政府と温度差も「一体的都市圏」で緊急事態要請

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く大阪、京都、兵庫3府県の知事が9日、緊急事態宣言の発令を検討するよう西村康稔経済再生担当相に要請した。3知事が足並みをそろえた背景には府県の枠を超え、社会経済活動をともにする「一体的な都市圏」で対策を強化しなければ、医療体制のさらなる逼迫(ひっぱく)を避けられないという強い危機感がある。

 「(感染者が)完全に増え切ってからでは対策の取りようがない。一体となって国に緊急事態宣言を要請すべきだ」

 大阪府の吉村洋文知事は西村氏への要請に先立ち、京都府の西脇隆俊、兵庫県の井戸敏三両知事とのオンライン会議でこう述べた。

 西脇氏は1日あたり約20万人とされる京都-大阪間の往来に言及。「3府県は一体的な都市圏だ。歩調を合わせる必要がある」と指摘した。

 3府県での合同要請は、府県間の連携が十分に取れなかった「第1波」の教訓を踏まえ、5日の関西広域連合の会議で決めた。根底に大都市で感染拡大が起きやすいとの懸念がある。

 大阪府内では8日まで3日連続で1日あたりの感染者数が過去最多を更新し、9日も647人と2番目に多い。重症者は160~170人台で高止まりし、確保している重症病床の使用率は9日時点で71・2%に上る。

 兵庫県内でピーク時を想定した確保病床の使用率は75・5%(7日時点)に上り、9日には324人と初めて300人を超える新規感染者が確認された。井戸氏は「病床の積み増しは厳しい。脳梗塞や心臓疾患などの発症が多い冬場は一般病床の確保も必要だ」と述べた。

 京都府内も5日以降、100人超の感染者が報告され、一般病床や重症病床の使用率が逼迫状態にある。西脇氏は「医療崩壊を防ぐためにも対策の強化が必要だ」と強調した。

 政府はこうした3府県の感染状況の推移や病床の逼迫度を見極めた上で、緊急事態宣言を発令する必要性を判断するとしている。

 吉村氏は、政府の慎重な姿勢について「もう少し分析すべきだとの判断自体は尊重したい」と理解を示した。

 一方で「強い危機感」という言葉を繰り返し「(感染者が)どんどん増えると助かるべき命が助からない状況になる可能性もある。一刻の猶予も許さず、緊急事態に相当する状況だ」とも述べており、政府と3府県の温度差は否めない。

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