緊急事態宣言、京阪神も視野 市民ら「必要」「今さら」

 新型コロナウイルスの感染拡大で、首都圏に続き大阪、京都、兵庫の3府県も緊急事態宣言の発令を政府に要請する検討に入ったことを受け、8日、住民からは理解を示す声が聞かれた半面、「今さら宣言を出しても…」と政府の対応を疑問視する意見もあった。一方、関西の空港では、首都圏に向かう人たちが不安そうに搭乗手続きを行っていた。

 「首都圏で発令が決まったのだから、同じように感染が拡大している関西地域にも宣言を出すことは必要」と話すのは大阪市東成区の男性会社員(29)。在宅勤務に切り替わる見通しといい、「不安はあるが感染防止のためには仕方ない」と理解を示した。

 また、同市西区の勤務先に出勤していた兵庫県伊丹市の中島亜映佳(あえか)さん(49)は「今さら宣言を出したとしてもすぐに感染の拡大が収まるとは思えない」とした上で、「市民が何をすれば感染予防につながるのか、政府には具体的な対応策を考えてほしい」と注文をつけた。

 兵庫県では神戸市内で飲食店の営業時間の短縮要請が想定されている。同市垂水区のヘルパー、福山眞子さん(52)は「アルバイトをしている息子と娘が、夕方から夜にかけてのシフトが多いので仕事が減ってしまうと悩んでいた。感染拡大で仕方ないが、飲食店で働く人はすぐに生活が苦しくなる」と話した。

 京都府も宣言を視野に入れるべき段階に入ったとしている。京都市下京区の自営業、中村美恵子さん(71)は「関西でも感染者数が過去最多を更新し続けており、宣言は、感染拡大を食い止めるにはいいこと。一人一人の感染予防の意識も上がるのでは」と期待。同区の男性会社員(28)は「関西でも医療体制が逼迫(ひっぱく)していると聞くし、特に3府県は仕事などで首都圏と往来する人も多いと思うので、宣言の対象となっても仕方がない」と話した。

 一方、関西の国内線の拠点となっている大阪(伊丹)空港は閑散とした様子。法人設立のため東京へ向かうという大阪府茨木市の男性(78)は「昨年に決めていた日程で、遅らせるわけにもいかない。リモートでできないこともある」と複雑な表情。授業を行うため横浜市から大阪に来た大学教員の男性(43)は「羽田空港や飛行機内の人はいつもよりも少なかった」とした上で、「可能な限りの感染対策をして過ごしたい」と話した。

 関西国際空港でも影響を懸念する声が聞かれた。埼玉県内の大学1年の男子学生(19)は、年末年始を和歌山県内の実家で過ごしたが、オンラインでの授業が始まるのにあわせて埼玉に戻るという。「大学はほとんど行けていないし、アルバイトも勤務時間が減ってしまった。緊急事態宣言が1カ月で済めばいいが」と不安そうに話した。

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