静岡県専門部会 リニア工事の生態系影響検証で1年3カ月ぶり協議

 リニア中央新幹線工事による南アルプスの生態系への影響を検証する、静岡県中央新幹線環境保全連絡会議の生物多様性部会が25日、昨年9月以来およそ1年3カ月ぶりに開かれた。同部会の開催は、静岡県が昨年10月、引き続きJR東海と協議する内容として47項目の課題を提示してからは初めてで、足踏みしていた協議が再開された。

 会議ではJR東海が、南アの環境への影響の低減策を説明。トンネル掘削に伴う湧水をできるだけ減らすことで河川や地下水の変化を小さくするほか、水質などのモニタリングを実施して、生態系に特異な影響が考えられる場合には代償措置を行うとした。

 一方で、大井川上流については「渇水期に水量が少なくなる沢では流量減少や枯渇が生じ、動植物の生息環境が著しく変化したり消失する可能性がある」として、一部では生態系に深刻な影響が生じる懸念があることを認めた。板井隆彦部会長(静岡淡水魚研究会会長)が「モニタリングで問題が起きたら工事を止めるのか」とただすと、JR側は「状況による」と述べるにとどめた。

 もっとも、会議終了後に板井部会長は「少し不十分なところをJR側に指摘できたのは大きい」と、この日の議論を評価。難波喬司副知事も「まずは部会の開催と対話の再開に大きな意味がある。(JR側から)分かりやすくまとめられた資料が出てきたことは評価できる」と手ごたえを感じていた。

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