コロナ禍が「2025年問題」を早め介護難民激増 統計では「在宅死」は4人に1人

“コロナ医療崩壊”の実情

 新型コロナウイルスが存在しなかった昨年まで、日本の医療が抱えていた最大の問題は「2025年問題」でした。これは5年後に団塊の世代が一斉に後期高齢者(75歳)となるため、医療と介護の現場が逼迫(ひっぱく)し、社会保障費が急増するという問題です。国が策を講じ、仕組みはできても、医師や看護師、介護士など、医療・介護従事者の絶対的な不足はまったく解消されていません。

 それが5年早く露呈し、コロナ禍において、感染者数が欧米諸国に比べて圧倒的に少ないというのに、「医療崩壊」が起きつつあるのです。

 医療崩壊は「医療“経営”崩壊」ですから、コロナ禍がなくても起こります。そのため、国は病院の負担を減らそうと、高齢者の死に場所を「病院」から「在宅」へ転換する政策を取りました。

 しかし、在宅医も訪問介護人材も足りない上、家庭の負担も増すので、「在宅死」はまったく進んでいません。かといって、老人施設も足りません。終末期ケアの態勢も整っていません。たとえば、末期がんで緩和ケアが必要な患者さんや、人工呼吸器や気管切開処置など終末期の医療ケアが必要な患者さんの行き場となると、現在まったく足りていないのです。よって、「介護難民」という言葉が生まれました。

 2018年に制度が変わり、「介護医療院」が新設されました。ここは、医療・介護・住居がセットになったもので、死を迎えるまでの「終のすみか」になり得ます。しかし、まだ整備が進んでいません。そんなわけで、現在、終末期患者の受け入れ先となっているのは、「医療療養」病床を持つ病院、いわゆる「療養型病院」です。

 日本の医療は、(1)高度急性期(2)急性期(3)回復期(4)慢性期-の4つの機能に分けられ、患者は、急性期、回復期を経て療養型病院に移されます。患者の半数は脳卒中疾患で、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、心疾患、慢性呼吸器疾患、がんなどの疾患も複合して持っています。つまり、寝たきりの患者さんが圧倒的に多いのです。

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