関東で最も遅くまで楽しめる紅葉の名所 粟又の滝や梅ケ瀬渓谷へ 養老渓谷(千葉県)

週末、山へ行こう

 今年、関東近郊の低山の紅葉は非常に良いと思う。秋に大きな台風が来なかったことなど、気候の影響が大きいのだろうか。今月に入り、講座やガイド登山で東京や神奈川、埼玉の低山を歩くたび、美しい紅葉に出合い、ニヤニヤしている。

 紅葉の当たり年は、養老渓谷に行きたい。房総半島、養老川周辺の渓谷。新緑、紅葉の名所として知られているが、なかでも紅葉の時期は多くの人で賑わう。見頃の時期が11月後半から12月上旬、関東で最も遅くまで楽しめる紅葉の名所のひとつでもある。

 粟又の滝(養老の滝)を起点とする滝めぐりコースは、川沿いの舗装された散策路で、観光客でも気軽に楽しめる。他にも素掘りのトンネルの跡が不思議な景観となっている弘文洞跡、道路の両脇をモミジが彩る筒森もみじ谷など、多くの散策ポイントがある。養老渓谷駅から梅ケ瀬渓谷を歩いて大福山へ向かうルートも、紅葉ハイキング目当ての登山者に人気が高い。

 しかしながら、昨年の夏の大雨や秋の台風などにより房総半島は大きな被害を受け、養老渓谷もいくつかの散策路はいまだ復旧中となっている。滝めぐりコースは通常どおりに歩けるものの、弘文洞跡のある中瀬遊歩道は通行止めの個所があり、梅ケ瀬渓谷自体は歩けるものの、大福山山頂に向かうもみじ谷一帯は通行止めだ。

 11月半ば、下見を兼ねて歩きにいってみた。梅ケ瀬渓谷は11月7日に開通したばかりだった。崖の岩がむき出しになっている深い谷の景観に圧倒される。ところどころで大雨で崩れたのを復旧したと思われる個所があり、被害の大きさを感じるとともに、再び歩けるように整備してもらえたことをありがたいと思う。

 滝めぐりコースは道もよく整備され、気持ちよく歩けそう。張り出したカエデの葉の具合もいい感じ。12月、時間を作ってもう1度訪れよう。今年は最高の紅葉が待っているはずだ。

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 登山にあたっては、登山道の状況、バスの運行などを最新のデータでご確認ください。山行中は、歩行時に他の登山者との間隔をあけるなど新型コロナウイルス感染予防を心がけましょう。

 ■養老渓谷おすすめルート 養老渓谷駅…宝衛橋…女ケ倉…梅ケ瀬渓谷…往路を戻る…養老渓谷駅▼歩行時間 約3時間30分▼難易度★★(最高難易度★★★★★)

 ■コースガイド 小湊鉄道養老渓谷駅を起点に、梅ケ瀬渓谷を往復するコース。道標に従って舗装道路を進み、渓谷沿いの道へ。道の分かりづらいところにはテープや方向指示の看板が付けられているので見落とさないように進む。紅葉谷との分岐から先は通行止めなので、来た道を戻る。

 ■おすすめシーズン 1年を通じて歩くことができるが、新緑は4月、紅葉は11月下旬~12月上旬が見頃。今年は例年より1週間ほど紅葉が早い見込み。冬の梅ケ瀬渓谷では断崖につららが見られることも。

 ■西野淑子(にしの・としこ) オールラウンドに山を楽しむライター。日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。著書に「東京近郊ゆる登山」(実業之日本社)、「山歩きスタートブック」(技術評論社)など。NHK文化センター「東京近郊ゆる登山講座」講師。

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