ペットボトルでクリオネ採集も 展示する生き物の大半が飼育員の手で アクアマリンふくしま

【FIGHT10 いきもの巡り】

 「え! クリオネを潜って採集しているのですか?」。当館で展示している生き物はどこからやってくるのか、という来館者の質問に答えると驚かれます。

 確かに現代はインターネットの時代。クリオネなどの珍しい海の生き物もネット上でワンクリックすれば購入は可能ですし、職員が生き物のいる現地へ向かう交通費や、流氷の下を潜水する危険性を考えたら、ネットで入手したほうがはるかに割安かもしれません。

 ですが、当館では開館当初からできるだけ飼育員が潜水採集したり、漁師さんの船に同乗したりして生き物を集める自家採集を試みてきました。そのメリットはたくさんあります。

 1つ目は水槽内で自然を再現する「環境展示」を行う際、自分たちで採集していると、魚たちの組み合わせや生活している環境の再現に役立つことです。やはり自分の目で確かめた自然環境を再現した水槽は、魚の見え方も雰囲気も違ってきます。

 2つ目は、展示する生き物との「思わぬ出会い」があることです。毎回潜水や乗船するとき、採集する生き物は決めておきますが、実は飼育員が一番期待しているのは、目的以外のサプライズな生き物との遭遇です。海は天候や潮の流れによって毎日、採れる魚が違います。「お、これはレアもの!」という生き物をほぼ毎回見つけることができ、かなり興奮します。

 北海道の知床でエビ籠漁の船に乗っていたとき、今まで見たことのない全長15センチくらいの真っ白なエビを採集しました。「これは珍しい」と大事に持ち帰ってよく調べると、世界初の新種のエビ(シラユキモロトゲエビ)でした。このような貴重な体験は、自家採集ならではのことです。

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