「また人が減る」GoToで観光回復の京都、第3波に警戒

 新型コロナウイルスの「第3波」は、政府の観光支援事業「Go To トラベル」で息を吹き返す観光業界にも影を落としつつある。「また人が減ってしまう」「旅行を控える心理が働くかも」。紅葉シーズンから年末年始にかけての盛り上がりを期待したのもつかの間、一転して警戒感が強まってきた。(鈴木俊輔、西山瑞穂)

 紅葉シーズンを迎えた京都は観光客でにぎわう。

 「春に比べれば回復しているが、それでも例年の半分程度だ」

 人気の観光スポット、祇園・八坂神社近くの土産物店に勤務する女性(38)は、ため息交じりに話した。花見と並んで紅葉の時期は一年で最も忙しいシーズンだが、いつものにぎわいにはほど遠い。

 4月の緊急事態宣言を受けて店は一時休業したが、その後、Go To トラベル効果などで観光客は回復傾向にあった。そこに襲ってきたのが第3波だ。女性は21日からの3連休に期待を寄せるが、「また人が減るのではという不安がある。どうしようもない」とこぼした。

 「Go To」の追い風で、ホテルニューオータニ大阪(大阪市)は予約数が昨年を上回る状況が続く。例年は外国人が宿泊者の4割近くを占めるが、今年は日本人客が急増。年末年始にかけても想定以上の予約が入っているという。担当者は「安心して過ごせるように感染対策に努めたい」と、宿泊者らの不安感払拭に最善を尽くす考えだ。

 一方、団体旅行を敬遠する動きはなお続く。貸し切りバスが振るわず、バス業界は苦境から抜け出せない。経営的に追い詰められる会社もある。大阪バス協会の阪部光雄専務理事は「保有するバスが10台以下の規模が小さい事業者が多い。今の状態が続けば、もうもたない」と訴えた。

 Go To トラベルで観光客を引きつける北海道では、繁華街だけでなく離島の利尻島でも感染が広がった。予断を許さない状況は今後も続くとみられる。

 京都市観光MICE推進室担当者は「旅行をするだけでは感染は広がらないといわれている。だが、旅行を控える心理が働いてしまうかもしれない」と、警戒感を強めている。

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