【しずおか・このひと】認知症「診断されても前向きに」県希望大使、三浦繁雄さん(63)

 --どう意識を変えるべきなのか

 「例えば、行政機関は『認知症の人たちの相談を受けるところ』というスタンスで、困りごとがないと話にならない、という感じがします。行政機関に求められているのは『何かをしてやる』ということじゃなくて、一緒にコミュニティーをつくっていく、という方向に意識を変えないといけないと思います」

 --政府は「共生」を掲げている

 「共生というのは、いろいろな地域の中に認知症関連の施設をたくさんつくることではない。むしろ、今まで生きてきたスタイルをできるだけ維持しながら、地域で生活できるような環境を一緒につくらないといけない。そうしないと、認知症の人は我慢し、閉じこもってしまいます。こうしたまだ変わり切れていない部分を変えるのが、私の役割です」

 --社会へのメッセージは

 「いろいろな場所で、こう聞いてみることがあります。『なぜ、希望大使だと思う?』と。希望と正反対の絶望という間違ったイメージが蔓延(まんえん)しているが、『そうじゃないよ』と伝えています。認知症の人を守るとか、支えるとかではなく、これまで通り一緒にやっていってくれる社会になれば『本人に希望が芽生える』、ととらえてほしいとも話しています」

 --自身にとって希望とは

 「希望大使として自分の体験を伝えながら前向きに生きてもらえるよう、認知症へのイメージを変えてもらえるよう活動していますが、本来ならば、そういう大使がいなくても大丈夫な社会になればいい。これが私の『希望』です」

     ◇

 ■みうら・しげお

 昭和32年1月4日生まれ。民間企業を退社後、障害者就労支援施設の職員に。「注意が散漫になったり、できていたことができなくなったりしたと感じた」ことから診断を受け、平成27年に軽度認知障害と診断された。現在は吉田町の精米店で週4日働きながら、治療を受けている。牧之原市出身、在住。

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