久々のタイトル防衛劇 28歳永瀬拓矢王座「頭一つ抜けるか」 藤井二冠の10歳年上、圧倒的な勉強量

【勝負師たちの系譜】

 今期はタイトル戦で防衛がないということを何度も述べた。4月からは棋聖戦で藤井聡太二冠が3-2、叡王戦は豊島将之二冠が4-3、名人戦は渡辺明三冠が4-2、そして王位戦の藤井の4-0と、すべて挑戦者が奪取したのだった。

 そして秋に入り、王座戦が開幕した。永瀬拓矢王座に久保利明九段が挑戦するシリーズだ。久々の振り飛車党の挑戦者だけに、ファンには大いに期待されたかと思う。

 永瀬にとっては、王座戦のシリーズ中に叡王を失ったこともあり、無冠になるかもという後のない戦いとなった。一方の久保は、2018年に王将を失い無冠になって以来の挑戦だけに、もう一度タイトルをという悲願の挑戦であろう。

 年齢は永瀬が28歳で、久保は45歳の17歳差。40代半ば過ぎでタイトルを取るのは至難の業と言われる将棋界での挑戦だ。

 シリーズは初戦で永瀬が薄くなった穴熊を戦いながら修復し、堅さを維持して勝つ技を見せれば、次局は久保が「捌きのアーティスト」らしく、華麗に勝つという一進一退の攻防を見せ、2勝2敗で最終局へ。2人は棋風が全く違うだけに、どちらが自分の世界に持ち込めるかが勝負となった。

 最終局に自分の世界に引き込んだのは永瀬だった。久保は飛車を切り、角2枚を駆使して相手陣に迫るが、永瀬は駒得を生かし、相手の手を封じながらじっくりと受ける。最後は一気に久保玉に迫って即詰みに追い込んだ。

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