見えない飛沫、正しく回避 スパコン「富岳」で可視化 

 理化学研究所のスーパーコンピューター「富岳」で新型コロナウイルス対策の評価を進める同研究所などのチームが発表した飛沫(ひまつ)に関するシミュレーション結果。マスクによる感染予防効果や飲食店のテーブルでどこに座ると飛沫を受けるリスクが高いかなどを分析した。見えない飛沫が可視化されていることで、日常生活を送る上でも参考になりそうだ。理研の坪倉誠チームリーダー(神戸大教授)は「感染リスクがどこにあるのか、それに対してどういう対策を取ればいいのか啓発したい」と話している。

 ■20分会話で咳1回分

 会話しているときと歌っているとき、そして、せきをしたときでは、飛沫の飛び方はどう違うのか。

 会話をしたときなどに飛ぶ飛沫には、床や机などにすぐ落下する比較的大きな飛沫と、粒の大きさが5マイクロメートル(1マイクロは千分の1ミリ)程度以下で空気中を長時間漂うエアロゾルがある。

 会話では1分間に約900個の飛沫、エアロゾルが飛び、歌の場合は1分間に約2500個飛ぶ。一方、強いせきを2回すると、合計で3万個ほどが飛ぶことが分かった。

 20分程度の会話をすると、せき1回と同じ程度の量が発生。歌唱しているときには会話と比較して数倍が、より遠くまで飛び、カラオケ1曲ほどに当たるおよそ5分でせき1回分が飛散するという。

 また、歌唱時を想定し、マスクやフェイスシールド、マウスガードでどの程度飛沫の飛散を防げるのかについてもシミュレーションを実施。フェイスシールドやマウスガードはマスクと比べ、相当量のエアロゾルが漏れ出ていた。

 坪倉氏は「いずれにしてもエアロゾルは漏れてしまう。大きな飛沫への対策とは別に、小さな飛沫への対策を考える習慣が大事だ」とし、マスクなどの装着と換気をあわせて行う必要があるとしている。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ