ヨシタケシンスケの絵本『あつかったら ぬげばいい』に大人も涙 ネット民「心に染みる」「カウンセリングのような一冊」

 8月25日に発売された人気絵本作家、ヨシタケシンスケ氏の新作『あつかったら ぬげばいい』(白泉社)が、大人も子供も楽しめる絵本として注目を集めている。一部メディアで“大人がハマる絵本”“子供に読ませたくない絵本”と紹介されるなど、書店で品切れが相次ぐ事態となっている。ネット民からは「今一番欲しい絵本」「たしかに!と、ダヨネー♪がつまっててホっとした本」「内容が心に染みる」といった賛辞が集まるなど、ちょっとした社会現象を巻き起こしている。

 ヨシタケ氏はこれまでも多数のヒット作を世に出している絵本作家。代表作の『りんごかもしれない』『りゆうがあります』『もう ぬげない』『なつみはなんにでもなれる』『おしっこちょっぴりもれたろう』の5作品で、多くの書店員に支持された新刊絵本を表彰する「MOE絵本屋さん大賞」の第1位を獲得するなど、子供や子育て世代から絶大な支持を得ている。昨年は英語版『つまんない つまんない』が米紙ニューヨーク・タイムズの最優秀絵本賞に輝くなど、中国、韓国、フランス、スペインなどでも翻訳されている。

 新作の『あつかったら ぬげばいい』は、子供や大人が抱く日常のさまざまな疑問に痛快に答える作品。本の構成は見開きのシンプルな2コマ絵本で、全31話が収録されている。左ページでお題をあげ、右ページで“ヨシタケ流”の回答を出すという作りだ。

 例えば《ヘトヘトに疲れたら→ 歯もみがかずにそのまま寝ればいい》《どうしても買ってほしかったら→ いいこのフリをすればいい》《誰も傷つけたくなかったら→ 上手なウソをつけばいい》などと、常識から少し外れた切り口が特徴の一つ。子供に読み聞かせることを躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうな内容も含まれており、一部メディアから“子供に読ませたくない絵本”との紹介もあるほどだ。

 ヨシタケ氏が雑誌のインタビューでも「想定読者を大人に寄せている」と語っているように、本作は絵本という括りを飛び出して大人の心にもじわじわと響く言葉が満載だ。《大事な人がいなくなったら→ たっぷり悲しんでから別の大事なものを作ればいい》《世の中がみにくく思えてきちゃったら→ 光る画面を見なきゃいい》《きょう一日何も進められなかったら→136億年の宇宙の歴史に思いを馳せればいい》といった独特の世界観で、疲れ切った大人の心も掴んでいる。

 ヨシタケ流の言葉の数々に共感したネット民からは「本屋さんで何気なく立ち読みしてたら半泣きしてしまった絵本。友だちの誕生日プレゼントに贈ったら友だちも即泣きしてしまったらしい。『大丈夫だよ』と優しく心に語りかけてくれるような絵本」「大人の心にも響くカウンセリングのような一冊」「大人の心も楽にしてくれる絵本」といった感想がズラリ。「こうなったらこうすればいいじゃないって感じが淡々と。とりあえずあんまり重く考え過ぎないで肩の力を抜いていこうって感じ。見た人がどう感じるかも自由」「心が疲れているときに読む大人の絵本。もしつまらないなと思ったら、心が元気な証拠です」などと、気分が楽になった大人たちから数多くのコメントが寄せられている。

 『あつかったら ぬげばいい』は楽天ブックスとアマゾンの児童書部門において、週間ランキングの1位、2位にランクイン。紀伊国屋では総合(日間ランキング)で3位に食い込んでいる(すべて16日時点)。MOEの公式ツイッターでは「大人にもおすすめしたい絵本です。ただいま品切れの書店・ネット書店も相次いでおりますが、鋭意重版中ですのでお近くの書店店頭等でぜひお手にとってみてください」とのコメントを出している。

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