「幸せな介護」「職場に必要ながん教育」など…中高年必須「守り」のラーニング

定年後・自走人生のススメ

 中高年社員が、会社や社会の中で「自分の活躍の場(居場所)」をいかに確保するかは、大きな課題である。前回、前々回のこのコラムで取り上げてきた『キャリア羅針盤』は、中高年社員が「自律的なキャリア形成」に取り組むためのセルフ・ラーニングシステムだ(定年後研究所と星和ビジネスリンクの共同開発)。

 前回は、そのための「攻めのラーニングメニュー」を紹介した。しかし、周囲の状況変化が攻めを阻害することもある。例えば「介護」の問題。中高年になると、親が「要介護世代」になってくる。仕事や生活の妨げになる場面に直面することも多い。

 『キャリア羅針盤』では、このような中高年特有の問題に対処するため、仕事との両立という「守りのラーニング」もメニューに揃えている。

 「守る」ためのコンテンツは次の4つである。

 【幸せな介護】突然、親の介護が必要になったら…。介護による経済的・身体的・精神的な負担を軽減させ、「介護離職」という最悪の事態を招かないようにするには、「事前の準備」が大切だ。介護という災難を、逆にQOL(人生の質)を高める経験に「転化」させることを目的とした学びだ。

 【職場に必要ながん教育】全国の学校で行われている「がん教育」は、世界トップクラスといわれている。むしろ大人たちが「がん教育」から取り残されているのが実態だ。だから、いまだに「がんが見つかるのが怖いから検診も受けない」という残念な話も聞かれる。がんについて大人が知っておくべきことを短時間で学ぶ。

 【仕事に生かすマインドフルネス】世界中のグローバル企業、経営者、トップアスリートの間で取り入れられている「マインドフルネス」。目の前のことに集中して、落ち着いた心の状態のことをいう。仕事、健康、私生活で「うつの原因」となるストレスを多く抱える中高年社員が、ストレスとうまく付き合い、コントロールできるようにするための実践的方法を学ぶ。

 【まだ間に合う! 脳のトレーニング】年を経るごとに記憶力や瞬時の判断力の低下を痛感している中高年が多い。「脳の機能は中高年になっても鍛えられる」という事実を意識せずに、脳を鍛え続けることをやめてしまったら、脳の衰えが加速してしまう。仕事や生活の中で、脳を鍛える習慣づけを学ぶことによって、注意力や判断力、記憶力、集中力などを向上させ、仕事や生活のパフォーマンスを上げるためのラーニングだ。

 『キャリア羅針盤』は企業を通じての提供ではあるが、とりわけ「守り」のラーニングメニューについては、中高年個人が「自学自習」する場合でも、欠落しがちな項目でもあるため参考にしていただきたい。

 ■日本で初めての「50代以上会社員」に特化した、定年後ライフの準備支援機関。定年後の「自走人生」を目指す中高年会社員を応援。中高年会社員向け学習システム『キャリア羅針盤』を開発中。ポータルサイト「定年3・0」(https://www.teinengo-lab.or.jp)

 ■得丸英司(とくまる・えいじ) 「一般社団法人定年後研究所」所長。(株)星和ビジネスリンク取締役専務執行役員。1957年生まれ。日本生命保険で25年にわたり、法人・個人分野のFPコンサルティング部門に従事。日本FP協会常務理事、慶應義塾大学大学院講師などを歴任。日本FP協会特別顧問。

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