GoTo東京追加 関西で期待と懸念の声上がる

■感染リスクに憂慮も

 ただ、憂慮する声も。京都・先(ぽん)斗(と)町(ちょう)で雑貨店を営む男性(43)は特定の観光スポットに観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム」などの再発を懸念しており、「観光客でごった返すのではなく、少しずつ増えていくのが理想。密を避けながら、京都本来の雰囲気を味わってもらいたい」と呼びかけた。

 繁華街・新世界の居酒屋の男性店長(46)は「感染者数が多い東京から観光客が押し寄せることで、感染リスクが高まる可能性がある」と指摘。ただ、直近の店の売り上げは昨年同時期と比べると半分程度。男性は「感染拡大の予防に努めながら、観光に訪れてもらえれば」と複雑な心境を漏らした。

■波及効果は限定的

 「Go To」の東京追加は、関西にどのような影響を与えるのか。新型コロナウイルス禍の直撃で低迷が続く観光業界では期待が広がる一方、当面は関東近郊の旅行に人気が集中するとみられ、関西への波及効果は少し先となりそうだ。

 「旅行商品予約はウェブも好調。特に店頭は夏の繁忙期を超えるほどの忙しさだ」。近畿日本ツーリスト(東京)の担当者は声を弾ませる。

 9月18日に10月以降の東京発着の対象商品の販売が始まると、同社では予約や問い合わせが急増した。東京発の旅行商品の売り上げは、7~9月は前年同期のおよそ半分だったのに対し、10~12月分は予約を含めて前年並みまで回復。ただ行き先は長野県など関東近郊が人気といい、現時点で関西への波及効果は限定的とみられる。

 宿泊予約サイト「一休ドットコム」の担当者も、同じく近場の旅行商品が人気との認識を示す。特に割引効果が大きい高級ホテルや貸別荘に需要が集まっているという。

 日本総研の若林厚仁・関西経済研究センター長の推計によると、令和元年の関西2府4県での旅行消費額(交通費含む)は総額4・5兆円。このうち日本人の消費は3・3兆円に上った。

 若林氏は3・3兆円のうち、東京からの消費額が1割弱を占めたと試算。「Go To」東京追加による関西の観光需要回復や経済効果はこれからとみられるとする一方、「東京からアクセスが良い京都、大阪の都市部の宿泊施設や飲食業を下支えする効果はある」と見込んでいる。

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