「~ハラ」「~活」定着 SNS普及で言葉の寛容化進む

 文化庁が25日に結果を公表した令和元年度の「国語に関する世論調査」では、普段の生活で接している言葉から、「今の国語は乱れていないと思う」と回答した人の割合が30・2%と初めて3割を超えたことが分かった。同庁の担当者は理由の一つに、SNS(会員制交流サイト)の普及を挙げ、敬語や新語、若者言葉など、使われる言葉の多様化が表現に対する寛容さにもつながったと推測した。

 言葉の乱れについては、今回を含め過去5回にわたり調査。最初の平成11年度には「全く乱れていないと思う」「あまり乱れていないと思う」と答えた人の割合は合わせて10・3%だったが、徐々に増えて前回の26年度は23・5%だった。

 年代別にみると、「乱れていると思う」と回答した割合は、今回の調査で40代~60代が7割を超えた。ただ、26年度と比べると、ほとんどの年代で減少傾向にあり、中でも30代~50代はそれぞれ約10ポイントも減った。

 「乱れていない」と思う理由は多い順で「言葉は時代によって変わるから」が39・0%▽「多少の乱れがあっても、根本的には変わっていないから」が29・9%▽「いろいろな言葉や表現がある方が自然だと思うから」が20・4%-。

 実際、新しい表現に関する調査で「自分も使うし、他人が言うのも気にならない」と回答した人の割合が多かった表現は、パワハラなど「~ハラ」が54・4%▽婚活など「~活」が52・7%▽「クールビズ」など「~ビズ」が40・7%▽30歳前後の世代を表す「アラサー」など「アラ~」が33・5%▽じっくりと見つめることを表す「ガン見」など「ガン~」が22・5%-と定着が進んでいる状況が明らかになった。

 担当者は「SNSが普及したのは、この10年。『乱れていない』と答えた人の割合も同期間に大きく上昇した。言葉を使って表現する機会が増えたことで使われる言葉が多様化し、それに伴い寛容度も高くなったのではないか」と語った。

 一方、今回の調査で66・1%だった「乱れていると思う」と答えた人は、どの点で乱れているかを尋ねられ、複数回答可で「敬語の使い方」「若者言葉」がそれぞれ6割超、「新語・流行語の多用」「あいさつ言葉」が3割を超えた。

 例文で挙げた敬語の言い方を「気になる」とした割合は低い順で、「先生は講義がお上手ですね」が32・4%▽「就職はもうお決まりになったのですか」が40・5%▽「誠に申し訳なく、深く反省させていただきます」が49・0%-などとなった。

 ただ、いずれも同じ質問が出された10~12年度と比べ、「気になる」と答えた人の割合が増加。「国語は乱れていない」とする傾向が進む一方で、敬語の違和感を指摘する人が増えたことに対し、担当者は「多様な言葉遣いに寛容になってはいるが、あるべき言葉遣いについては認識された上で使われているようだ」と説明した。

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