ボクシング元日本ウエルター級王者が歩んだ軌跡 田島屋社員・鈴木庸さん

【セカンドキャリアの達人に聞く】

 米穀の卸売りや精米加工などを行う田島屋(茨城県土浦市)に勤務する鈴木庸さん(39)。第49代日本ウエルター級王者、第36代OPBF東洋太平洋ウエルター級王者の井上庸(旧姓)選手として活躍した元プロボクサーだ。

 筑波大学在学中にボクシングを始め、2003年にプロテスト合格。04年、大学卒業とほぼ同時にプロデビュー。戦績は26戦20勝3敗3分。12年9月の試合を最後に引退した。

 「ボクシングは、人生そのもの、生活そのものでした。好きで好きで仕方なかった。約10年間ボクサーでいられたことは幸せでした」と振り返る。プロデビューしても、ファイトマネーだけで生活できる人はごく一部。多くは他の仕事をしながらボクシングを続ける。

 鈴木さんの場合は、大学のゼミの先生が設立した大学発のベンチャー企業に声をかけられ入社。卒業後は会社勤めとボクサーの二足のわらじの生活が始まった。

 「4月1日が入社式だったんですが、翌日はボクシングのデビュー戦。会社に半休をもらって前日計量に行きました」

 健康増進事業を推進する企業で働きながら、毎朝出社前にランニング、仕事を終えた夕方から夜はジムで練習を重ねる日々を送った。

 「ボクシングを始めた頃は、チャンピオンは雲の上の存在。想像もつかなかった」が5戦目以降連勝し、周囲がその実力を認めるようになった。

 「自信は無かったけれど、『もしかしたら、チャンピオンに手が届くんじゃないか』とか『チャンピオンになれるぞ、頑張れ』と周りが応援してくれるようになりました」

 09年3月、約5年勤務した会社を退職し、NPO法人に転職した。翌年4月、王座獲得に挑むものの判定の末引き分け。

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