日章旗、75年越しに帰還 ガダルカナル島で米兵持ち帰る

 先の大戦の激戦地・ガダルカナル島(ソロモン諸島)から米兵が持ち帰った日章旗が、持ち主の元日本兵、岩本広幸さん=福岡県築上(ちくじょう)町=の遺族に返還された。広幸さんはガ島から奇跡的に生還したが、一時戦死扱いとなっていたため戦没者名簿に名前が残っており、特定につながった。

 旗は、米海軍の衛生兵としてガ島に派遣されたアイヴァン・ソーントン・マンディーさんが持ち帰った。次女のサンドラ・マッコールさん(72)が遺品を整理している際に見つけ、知人を通じて産経新聞に情報を寄せた。

 厚生労働省によると、こうした戦地の遺品調査には通常、半年以上かかるが、ガ島で戦死扱いとされながら帰国を果たした岩本さんが戦没者名簿に名前が残ったままになっていたため、旗に記されていた名前や地名などと合わせて、特定に至った。

 広幸さんの孫、健(たけし)さん(39)によると、旗は彼岸に当たる20日、木箱に入れられて米国から届いた。「75年以上大切に保管してくださった思いがこもった、なんとも優しい香りがした。戦場にあったとは思えない」。思わず涙がこぼれたという。

 所々に血が染みついた旗は赤い布をミシンなどで縫い付けたような跡があり、手作りとみられる。健さんは広幸さんが眠る墓に旗を見せに行き、仏壇に供えた。新型コロナウイルスが落ち着いたら、介護施設に住む広幸さんの妻、ノブエさん(95)にも見せに行くつもりだ。(荒船清太)

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