“甲種輸送”ってなに? 知る人ぞ知る埼玉県の鉄道路線が一部廃止に…鉄道ファン「廃止されたら新車はどのルートで運ぶのか」

 知る人ぞ知る埼玉県の鉄道路線が今月末、一部廃止になる。秩父鉄道の三ヶ尻線だ。旅客を乗せる列車が走らない貨物専用の路線だが、製造されたばかりの新型車両を東武鉄道まで運ぶルートとして活用されてきたため、鉄道ファンの間では知られた存在だった。ネット上では「廃止になんのか」「三ヶ尻線が廃止されたら東武の新車はどのルートで運ぶのだろうか」と廃止後の動向に関心が集まっている。

 秩父鉄道三ヶ尻線は秩父本線の武川駅から三ヶ尻駅を経由し、JR高崎線の熊谷貨物ターミナル駅までを結ぶ全長約7.6キロの貨物線。今年3月までは石炭を運ぶ貨物列車が走行していたが、石炭輸送がトラック輸送に切り替わり、三ヶ尻-熊谷貨物ターミナル間約3.9キロが今月30日に廃止されることになった。「月末までに秩父鉄道三ヶ尻線を撮りに行くことはもうできなそうだから、高崎線の列車から線路を眺めておいた」といった惜別のツイートが相次いでいる。

 秩父鉄道とJR線をつないでいた三ヶ尻線。その一部区間の廃止によって、ファンが注目しているのが「甲種輸送」だ。一般的には聞きなれない用語だが、工場から新型車両を運ぶ際、機関車が牽引して納入先の鉄道まで運ぶことをこう呼んでいるという。三ヶ尻線は東武鉄道の新型車両を運ぶ「甲種輸送」のルートとしても活用されてきた。

 そのため、「東武の新製車受け渡しはどこになるのかしら?」といった疑問を投げかけるツイートが続出した。一方で、「やっぱり三ヶ尻線経由だったやつ栗橋経由になるんか」「まさか栗橋の連絡線経由?」という予想も。JR東北本線と東武鉄道は埼玉県久喜市の栗橋駅構内の連絡線でつながっているためだ。連絡線は通常、JR新宿駅から東武日光線に乗り入れる直通特急が走行しているが、今後は三ヶ尻線の代わりにこの連絡線を使って新型車両を運ぶのではないかと考えられているようだ。

 一般には知られていない貨物線だが、鉄道ファンには有名な路線だけに、秩父鉄道は記念切符も用意。「三ヶ尻線さよなら甲種輸送記念乗車券」(1070円)を今月28日から発売する。同社のホームページによると、この記念切符には、東武鉄道の新型車両500系が、秩父鉄道の電気機関車によって牽引されている「甲種輸送」の写真が使われている。これにはファンから「三ヶ尻線さよなら甲種輸送記念乗車券 まさかのリバティ甲種w」と歓喜の声があがった。

 500系は「Revaty(リバティ)」の愛称を持つ特急形車両。その500系が記念切符を飾ったことから「最後の甲種輸送は、やっぱり500系リバティかな?」「リバティの増備車は三ヶ尻線廃止前に間に合うということか」と期待に胸を膨らませるファンも少なくないようだ。

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