やみつきのみそだれ餃子 “母国恋しさ”が生んだ神戸の定番 

 関西では、京都や大阪、大津などがギョーザの消費量で全国トップクラスとなるなど、食文化にギョーザが根付く。そんな中、「神戸餃子」が、ご当地ギョーザの“注目銘柄”になっているという。その定番の食べ方といえば「みそだれ」。ギョーザには酢しょうゆとラー油が一般的だが、神戸では中華チェーンの店舗でもみそだれが置かれるほどだ。ところでなぜ「みそだれ」なのか。神戸っ子が愛してやまないその味の歴史をひもとくと、戦争に翻弄されながらも生きぬいた引き揚げ者の母国への思いが見えてきた。(中井芳野)

突然の幕引き

 6月中旬、神戸のギョーザ業界に衝撃が走った。牽引(けんいん)役の一角だった当地の名店「餃子のひょうたん」(神戸市中央区)が突然、63年の歴史に幕を下ろしたのだ。

 同店の公式インスタグラム(写真共有アプリ)では製造責任者の体調不良を理由に挙げているが、新型コロナウイルスの感染拡大でいったん営業を休止し、再開してからすぐのこと。とにかく、ひょうたんとの別れは唐突だった。

 「子供の頃に父と通ったお店。思い出がまたひとつ消えたみたいで寂しい」

 「いつか復活して」

 ネットには閉店を惜しむ書き込みが相次いだが、特に目についたのが同店のみそだれへの言及だった。

 「辛いみそだれが大好きでした」「みそだれで食べるのうまかったなあ…」

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