【不登校 居場所を探して】同じ授業受けられた オンライン拡大、不登校に転機

 さまざまな事情を抱え、今も右肩上がりで増えている不登校の子供たち。彼らを取り巻く現状や課題を探る。

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 新型コロナウイルスの感染拡大による休校の長期化で、いつもより短い夏休みを終えて2学期がスタートした8月17日、大阪府寝屋川市の市立小学校で教育関係者が注目する授業のライブ配信が始まった。

 黒板全体が映るように三脚にスマートフォンを設置し、教壇の上には教員の声を拾う集音マイク。画面の向こう側で、教室にいる子供たちと同じ授業を受けているのは、不登校の子供たちだ。

 「在籍するクラスの授業を受けることが、学校に復帰するステップにつながれば」。この日に向けて準備を進めてきた市教委の職員は感慨深げに語った。

 子供たちの学校生活を一変させたコロナ禍は、不登校の子供たちにも大きな影響を与えた。「少人数の分散登校で学校に行けるようになった」「他の子供たちも学校に行っていない状態に少しほっとしているようだった」「心機一転、高校に入学したのに出ばなをくじかれ、がっかりしている」-。千葉県でフリースクールを運営するNPO法人「ネモちば不登校・ひきこもりネットワーク」が6月にオンラインで開催した会合では、保護者らから、オンライン授業に取り組む子供たちのさまざまな様子が話題に上げられた。

 今でこそオンライン授業への関心は高いが、コロナ禍以前は多くの自治体が消極的だった。しかし、感染拡大で必要に迫られ導入する自治体が急増。寝屋川市では、学校が再開した6月に感染への不安から家庭での学習を希望する小中学生を対象に始めたが、市教委は不登校の子供にも有効とみて対象の拡大に踏み切った。現在、市内で計11人が利用しているという。

 ほかにも、休校中に導入したオンライン授業を希望に応じて不登校の子供にも配信を続ける熊本市や、12月から予定していた配信を7月に前倒しした福岡市など、オンライン授業を不登校の子供の学習保障につなげる動きが広がっている。

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