台風被害1年…「房州びわ」復興へふるさと納税活用 千葉・南房総市 

 昨年9月9日の千葉県への上陸から1年となる台風15号(令和元年房総半島台風)による被害で生産量が落ち込んでいる特産の「房州びわ」の復興を目指し、同県南房総市がふるさと納税を活用した寄付を募っている。目標額は1千万円。南房総地方のビワの商業栽培は260年以上の歴史があるとされ、皇室への献上品にもなっている。寄付金は台風被害からの再生や、江戸時代から続く産地の歴史を守るため、次世代への情報整備にあてる。

 ■ハウス倒壊、倒木…皇室献上取りやめ

 南房総市はトラストバンク(東京)が運営するふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」のガバメントクラウドファンディング(GCF)で寄付を募集している。GCFは自治体が行う地域の課題解決型のクラウドファンディング。返礼品には、台風被害を避けた木から来年収穫される房州びわ12粒入り1箱(寄付2万円以上)、「びわソフトアイスクリーム」の6個(同1万2千円以上)と8個(同1万6千円以上)を用意した。

 同市によると、台風の強風でビワ山では倒木が相次ぎ、ハウスは倒壊し、約5億3千万円の被害が出た。今年の生産量は例年と比べて露地栽培が半分程度に、ハウスは6~7割となった。「新たな苗木を植えると収穫できるまでには5~7年ぐらいかかる」(農林水産課)という。

 皇室への献上は昨年までに105回を数えた。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、関係者が集まる6月の選果式が中止となり、献上も取りやめたが、台風で生産量が減少したことも原因だという。ふるさと納税の返礼品としても人気があるが、今年度は生産量の減少で受付を取りやめている。

 ■後継者育成やマップ作成に活用

 同市と館山市、鋸南町には約350のビワ農家があるが、高齢化と後継者不足に直面している。就業割合は60歳未満の生産者は3割未満、全体の6割は後継者がいないという。

 寄付金は、ビワ山の倒木の処理など台風からの再生にあてる他、後継者向けの市内のビワ園地の情報の提供に活用する。高齢者が離農した場合に新規就農者ら次世代への引き継ぎが課題となるが、現在は場所や規模などがきちんと整理されていない。そのため、ドローンを使って立体マップ作成し、ビワ園地を賃貸や売買できるような情報の集約を進めることにしている。

 先月6日に始まった寄付は、1カ月たった6日午後3時までに139人が参加、265万9千円が集まった。市の担当者は「スタート時は10日で200万円集まるなど順調だったが、最近は伸び悩んでいる」という。11月3日まで「ふるさとチョイス」のGCFのページで受け付ける。

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