新学期 子供の自殺リスク、コロナで多重化 学校現場に緊張感

 新型コロナウイルスの影響で短縮された夏休みが終わり、新学期の授業を再開した学校も多い。この時期は毎年、不登校や自殺が増える傾向にあるが、今年は感染者に対する「コロナいじめ」や、変化を余儀なくされた家庭生活のストレスといった新たな要因から、例年以上にリスクの高まりが危惧される。教員の多忙化によって兆候が見逃される恐れもあり、教育現場で緊張感が高まっている。(玉崎栄次)

 ■高まるストレス

 「いじめや不登校が増えないか心配。ストレスがたまると、些細(ささい)なことでトラブルに発展する」。神奈川県にある公立小の男性校長は警戒を強める。

 休校や在校時間の短縮などで学校生活のリズムが例年と異なり、子供同士の人間関係が十分に確立されていない中で夏休みが短縮されたことで、子供のストレスの高まりを不安視する。

 国立成育医療研究センターが学校再開後(6月15日~7月26日)に、6~17歳の約900人のストレス反応を調べたところ、72%が「嫌な気持ちになる」「集中できない」「寝付けない」などの不調を訴えた。

 同センターの調査グループは「子供に例年以上のストレスがかかっており、夏休み明けの子供たちの心の負担が懸念される」と警鐘を鳴らしている。

 「コロナいじめ」も問題化しており、調査では、22%の子供が「コロナになった人とは治っても一緒に遊びたくない」と回答。実際、新潟県の小中高校では3月から今月25日までに、少なくとも8件のいじめが確認された。医療関係者の子供やせきをした子供らを「コロナ」と呼ぶなどのケースが目立ったという。

 一方で、保護者の収入減など家庭生活の変化も子供の精神状態に影響を与える懸念があり、学校現場では子供のSOSを早期に把握することが求められる。首都圏の公立小の女性教諭は「子供たちの表情やしぐさといった変化を見逃さないように注意している」と話す。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ